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コラム

ビデオコミュニケーションの21世紀〜テレビとネットは交錯せよ!〜

今年秋、上陸決定!Netflixは黒船なのか?VODの進路が日本のテレビの将来を左右するかもしれない

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【前回記事】「Twitterは視聴率を上げることができる?ソーシャルテレビで何ができそうになっているかを考える」はこちら

黒船Netflixが日本に上陸

大変だ、大変だ!Netflixがいよいよ日本にやって来る!早ければ9月にもサービス開始するらしいよ!みんな黒船に対抗する準備できてますか?

Gil C / Shutterstock.com

なーんてこれは少々騒ぎすぎですが、でもNetflixが日本でサービスをはじめることは、「ビデオコミュニケーションの21世紀」にとって重大な転換点になる可能性があります。

まず日本のVOD市場をざっと見ておきましょう。つい数年前まではアニメや韓国ドラマなどが主流で、正直マニアックな人のためのものというイメージでした。それが、スマートフォンの普及と定額制サービス(SVOD)の一般化で、誰でも使うサービスのムードががぜん出てきました。一般社団法人デジタルコンテンツ協会のまとめでは、2013年は1230億円の市場規模だったそうです。前年比21%増なので、成長市場なのは間違いありません。

この数字は毎年4月に発表されるようなので、2014年がどうだったかはまだわかりません。「そりゃもっと伸びてるだろうから1,500億円くらい、いやそれ以上なんじゃないか?」普通はそう思いますが、ちょっと違うようです。

SVODとスマホの波に乗って、いま会員数がいちばん多いのは、NTTドコモのdビデオですが、一時期440万人いたのが去年は390万人台まで減らしています。auのビデオパスはdビデオの半数程度の規模で、やはり大きく減少したそうです。

通信キャリアのサービスは機種変更や新規登録の際に「二週間無料ですがいかがですか?」と店頭で進められてなんやかんや特典もあって入会しちゃう。でも無料期間を過ぎるとすぐ退会する人が多い。この入会者が退会者を上回るので急増してきたのが、さすがに去年は頭打ちになり逆に退会者が入会者を上回ったのが原因。料金に敏感になったのもあるでしょう。

ところが、dビデオの無料期間を2週間から1カ月に伸ばしたら、また上昇基調になったので、今年は大きく成長するかもしれません。まあ、まだそんなことに左右される市場だということですね。1200億円という馬鹿にできない市場の増減が、サービスの無料期間で動くのですから。

360b / Shutterstock.com

そして気になるのがhuluです。日本テレビが買収して話題を呼びましたが、果たして会員数は伸びるのか。公式情報はありませんが、“信頼すべき情報筋”から得た話では、伸びているそうです。かなりしっかりと。業界では“越えなきゃならないライン”はこれくらいだと言われている数字が噂されていますが、いまのペースだとこれから半年以内に到達するのではないでしょうか。“成功”と言っていい状態にテレビメディアの力で持っていけたわけですね。

SVODではU-NEXTも独特のサービスでがんばっています。SVOD以外では、AppleTVは何台出ているかまったく数字を出しませんが、けっこうな規模があるのではと聞いています。

それから、CATVのVODサービスはかなりの規模で、最大手のJCOMの場合だと視聴可能世帯数は300万弱あるらしいです。こちらはスマートTV的な機能を持つ新しいSTBの普及を図っており、テレビだけでなくタブレットでもVODが視聴できます。このSTBが増えれば、今後のVODのイニシアチブをとる可能性があります。テレビをVODの軸にできるのは強みでしょう。

日本のVOD市場はこんな風に混とんとしている中、テレビ局が見逃し無料配信をはじめたのが去年のトピックでした。でもこれもまだ、起ち上がったばかりです。

そこへ、Netflixがやって来る。米国内では3900万、全世界では5700万のユーザーを獲得した、VOD界唯一無二の巨人が、満を持して日本市場に上陸するというのですね。

次ページ 「日本でNetflixは普及するか」へ続く