デジタルインテリジェンスは、テレビCMのターゲットセグメント別のアクチュアル到達状況を、ほぼリアルタイムで捕捉分析し、目標のリーチ数に到達していない部分の補完をデジタル広告配信で行うシステム「CMARC」を開発した。現在2000世帯、個人で5000人規模のパネルを基に秒単位、リアルタイムで提供するスイッチ・メディア・ラボの視聴データを利用する。
視聴データを、ほぼリアルタイムで取り込み、アクチュアルのターゲット到達状況を、リーチ(到達人数)、ターゲットが見たCMの表示回数(ターゲットインプレッション数)、フリークエンシー分布に分解して把握。ターゲットインプレッション数とは、従来ネット広告が使っていた考え方をテレビCMに置き換えたもので、テレビCMをターゲットが見た表示回数を示している。
同社では12月より広告主数社参加の実証実験を開始し、4月にはサービスの本格提供を予定している。また、実証実験には登録ID型のデモグラフィックデータを保有し、配信量を確保できるメディア、DSPプレイヤーも参加。楽天DSP、ScaleOut DSP、PlatformIDのDSPサービスに加え、Cookieごとに検索ワードデータを保有するインティメート・マージャーのテレビ視聴時間判定のシステムも活用(*)。ターゲット世代でなおかつテレビCMがリーチしていないと想定されるユーザーに絞って、広告配信を行う。
実証実験では配信後の効果検証も企画。大手リサーチ会社の調査パネルの中からCookie情報を取得し、オンライン広告の接触状況を特定できるサンプルを抽出。さらに、パネルとスイッチ・メディア・ラボのパネルの重複するサンプルを抽出し、デジタル広告、テレビCM双方のリーチ結果を把握するという。
*テレビで出てきたワードを検索するユーザー、ネットでしか流通しないワードを検索するユーザーなどで判定する。
デジタルインテリジェンスの横山隆治氏は「特に、テレビ視聴時間が減少傾向にある若年層をターゲットとするブランドでは、テレビだけでのリーチ自体が難しくなっている。事前に最適なシミレーションはできないし、ターゲット到達状況をリアルタイムに把握しながらオンライン広告で手を打っていく。運用の発想で最適化を目指す発想が必要」と話している。
「CMARC」は、まず第一弾の実証実験では広告のリーチ効率の改善をテーマとするが、今後はデータを基に、フリークエンシー分布の最適化にも活用していきたい考え。ターゲット以外で、フリークエンシー過多になっている層を把握しながら、認知獲得の効率化につながるテレビCMの出稿プランの改善にもつなげていきたいとしている。
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