グローバルで7500万ユーザーが利用する共有カレンダーアプリ「TimeTree」には、ユーザーが登録した予定に含まれる特定キーワードに連動して、関連性の高い広告を配信できるメニューがある。ユーザーの「未来」の行動に、自然に溶け込む形で広告を届ける「予定キーワードジャック」だ。森永製菓は、これを活用し、“集中のお供”として親しまれる「森永ラムネ」の広告を、受験予定のあるユーザーのカレンダーに配信。受験生やその家族にメッセージを届け、成果を上げている。
(左から)TimeTree マーケティングソリューション本部 プロダクトマネージャー 鈴木 諒氏、TimeTree 執行役員 マーケティングソリューション本部 本部長 新保 周氏、森永製菓 執行役員 マーケティング本部 菓子マーケティング部長 佐藤 実氏、森永製菓 マーケティング本部 菓子マーケティング部 小山内 裕亮氏
集中したい時にラムネを喫食「受験」を軸にCEPを強化
━━森永製菓はロングセラーブランドに、時代に合わせた新しい価値を付加し、ブランドの鮮度を保ち続けるマーケティングに習熟している企業という印象を持っています。
佐藤:私たちがマーケティングにおいて大切にしているのは、お客さまの生活の中に、すでにある「小さな事実(ファクト)」を見つけ出すことです。このファクトを起点に企業都合ではない新しい商品の使用シーンを開拓することでロングセラーブランドを活性化させる取り組みを行ってきました。
たとえ0.1であっても、お客さまの中に存在する事実があれば、それを広げることはできます。この「事実の見極め」と「どのように広めていくかという手段」を組み合わせるようにしています。
小山内:「森永ラムネ」が子どもだけでなく大人からも支持されるようになったのは、まさにこのプロセスをたどっています。ブドウ糖を最大90%配合する「森永ラムネ」は2013年頃からSNSを中心に、二日酔い対策などで購入されているという事実が見えてきました。2015年頃には「ブドウ糖は仕事や勉強の集中時にもいい」という声が広がり、それを受けて2018年に大人向けの大粒タイプを発売しました。
佐藤:私たちは「カテゴリーエントリーポイント(CEP)」、つまり「どんな時にお客さまがその商品を想起し、手に取るか」という使用シーンを重視しています。お客さまがその商品を必要とする「瞬間」をいかに明確にし、寄り添えるかを考える中で、「集中したい時」にラムネを喫食しているというファクトを広げていくことにしました。
小山内:高い集中力が必要とされる場面として、いま私たちがフォーカスしているのが「受験」シーン。2020年頃から本格的に訴求を始めました。
━━2026年1月、家族などの親しいグループで予定を共有することに特化した、カレンダーアプリの「TimeTree」に「森永ラムネ」の広告を配信されました。
小山内:入試時期を狙い「TimeTree」内で「受験」に関わるキーワードの予定を入れているユーザーに対し広告を配信しました。事前の調査では、受験生だけでなく親世代も、子どもを応援する目的でラムネを購入するシーンが多いことが分かっていました。そのため、「受験」という予定を家族で共有しているターゲットに配信できる「TimeTree」に魅力を感じ、配信に至りました。
新保:私たちが提供する「TimeTree」は、未来の予定を共有するアプリです。検索行動が「今、知りたい」という瞬間的なものであるのに対し、予定登録は「これから行動する」という非常に強い意向シグナルとなります。森永製菓さんは、ユーザーが人生の重大事である「受験」という予定を入れている空間に、ブランドがそっと寄り添う広告を実現されました。「予定キーワードジャック」というメニューを活用いただきましたが、これはお客さまの未来の文脈に参加しながら、CEPを獲得できる新手法だと考えています。
東大生の約80%が食べていたファクトをベースに広告を制作
━━「予定キーワードジャック」で配信する広告のクリエイティブは、どのような点を重視しましたか。
小山内:受験生応援キャンペーンは情緒的訴求が多くなりがちですが、今回は「東大生の約80%が受験時に食べていた」という調査結果をメインで訴求する内容にしました。「子どもに買ってあげたい」と思えるような、信頼感やインパクトがあるものにしたかったからです。
佐藤:カレンダーに予定が入っているということは、その行動が実行される可能性が極めて高い。従来のWeb広告は、関心がありそうな人などでターゲティングをしていますが、「TimeTree」なら、行動意向をもとにブランドとの接点が持てます。
鈴木:「予定キーワードジャック」は、特定シーンにおける第一想起と、購買意向というマーケターの皆さんが重視する指標を追えるメニューになっています。予定に向き合うユーザーの邪魔をせずに、価値ある情報が届く体験を重視して開発しました。
すでに認知度の高い「森永ラムネ」でありながら、ブランドリフト調査の結果、「ブランド認知」で+3.0ポイント、「集中したい時のブランド第一想起」は+4.8ポイントのリフトを確認しました。さらに1カ月以内の購入経験が+6.4ポイントと、実際に購入というアクションに結びついています。
図表 TimeTree「予定キーワードジャック」 森永ラムネでの活用事例
受験関連の予定を入れているユーザーの予定確認画面の下に、1月中旬から1カ月間継続して、「森永ラムネ」の広告を配信。「東大生の約80%が受験時に森永ラムネの喫食経験あり※」というファクトを伝える内容とした。
※東京大学新聞社と森永製菓による共同調査、2024年10月実施、現役東大生100人が調査対象
小山内:受験生本人だけでなく、親世代にも「子どもをサポートする手段」としてメッセージが届いた結果だと感じています。
佐藤:集中したい時にラムネ、と認知していただくだけでなく、受験時に買おうという行動にまでつながり、CEPが強化されました。
新保:カレンダーという媒体を使えば、例えば、「キャンプ」に行く時の「虫刺され対策」や、スポーツの「試合」の前の「エネルギー補給」など、未来の行動文脈に対して接点を持てます。この強みを活かし、ユーザーの大切な瞬間に寄り添い、その行動を助けるブランドとの出会いをデザインしていきたいと考えています。
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