アンドロイド携帯戦線
福田敏也(777 Interactive代表取締役)
iPhone(アイフォーン)が日本市場で大きく伸びるなか、アンドロイド携帯の新機種が日本の携帯各社から一斉に発表された。NTTドコモ、au、ソフトバンク。アンドロイドOSを搭載し、アプリ群を入り口とした情報体験を実現する次の携帯端末のあり方を、各社それぞれの視点で提案している。日本市場ならではのスマートフォンのあり方が次々に提案され、市場はさらに激しい戦いの時代に入ったことが見てとれる。
以前は携帯新機種ラインナップが発表されるたびに新機種のスペシャルサイトがつくられ、リッチなコンテンツが毎回多数生み出されてきた。昨今はそうしたサイトに金と時間をかける投資対効果が再検討され、スペシャルコンテンツをつくるケースが激減した。Flashをふんだんに取り入れ、クールな情報体験で新機種を印象づけるクリエイティブ。そうしたやり口もスタート当初の鮮度を失い普通のことになっていけば、スペシャルであることの意味も薄れ、特別なエネルギーを注ぐ意味合いも希薄になってくる。しかしながら、こうした商戦期。特に、アンドロイド端末が一斉にリリースされるようなタイミングでは、各社の商品ページのビューは数千万規模の大きなものになっていることは容易に想像される。そのページのメディア価値は引き続きとても高い。
auが、アンドロイド携帯のスペシャルコンテンツとして「クチコミカタログ」というサイトをつくり公開している。今回の新機種機能のなかで一般ユーザーがもっとも注目するポイントがユーザー投票され、その結果がリアルタイム表示される企画。一般ユーザーが新商品のどこに着目しているのか、ナマの姿が見えて面白い。メディア価値の高い商品ページにおける「スペシャル」な情報体験。その意味やあり方を考えていけば、まだまだ効果的なスペシャルサイトがあり得ることを教えてくれている。(「宣伝会議」12月1日号から)
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(ふくだ・としや)
博報堂で15年間、マス広告のクリエイティブに携わったのち、1996年からネットの世界へ。現在は777の代表としてメディアをまたいだユニークな広告コミュニケーション設計を展開中。
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