背景にあるのは、全体図描けるポジションの不在
広告業界の新しい職能としての「コンテクスト・プランナー」という概念を
で提示した。これについてもう少し書いておきたい。
今、広告業界内を見渡してみると、「コミュニケーション・プランナー」、「コミュニケーション・デザイナー」という肩書きが存在する。広告会社ごとに多少違うが、前者はメディアプランニング系のセクション、後者はクリエーティブ系のセクションに設置されていることが多いようだ。一方、PR業界内でも「コミュニケーション・プランナー」と呼ばれる人たちが存在し、いわゆる戦略PRのプランナーをそう指すこともでてきている。
さて、「コンテクスト・プランナー」という職能を業界内の機能・ポジションとしてどのように考えるかだが、私はこれを以前業界内を席巻した「アカウント・プランナー」をより拡張した職能に近い、と最近考えるようになってきた。
「アカウント・プランナー」は[消費者の代弁者]として、インサイトを発見し、そしてクリエーティブブリーフをクリエーティブチームに提示する人、である。主にCMやグラフィックのアウトプットをより消費者に刺さるよう創り上げるため、制作の前段階に大きな役割を果たす。消費者にとって伝わりやすいメッセージの方向性を導き出し、クリエーティブスタッフにオリエンテーションする職能だ。ただ「アカウント・プランナー」は従来型のメディアプランニングの枠組みの中の存在であり、新しいメディアやPR的な対応という面ではこのポジションではなかなか難しい。