コラム

CSR視点で広報を考える

ハッカー集団がフェイスブックに宣戦布告!ハッカーvs米国との仮想対戦が現実となる

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“Facebook will fall Nov 5 2011”

国際的ハッカー集団「アノニマス」が、インターネット交流サイト「フェイスブック」への攻撃を計画し、その代表者を名乗る人物がユーチューブを通じてその破壊を予告していることが明らかとなった。現在、ユーチューブにおける掲載はほとんどが削除されているが、一部のサイトでのみ確認できる。また、そのコメントを正確にフルテキストにしている「Business Insider」で、内容が覗けるので関心があればご覧頂きたい。

「#OpFaceBook」とされる攻撃ミッションが7月16日にユーチューブに掲載されたときには、マスコミのほとんどが無視していたにもかかわらず、なぜ急激に現実味を帯びることになったのか。それは8月8日にさかのぼる。「アノニマス」がシリアの国防省サイトに突然侵入、内容を改変して反政府メッセージを掲載した。これがきっかけとなり、CNNが8月10日に記事として取り上げ、フェイスブックへの攻撃を含めた「アノニマス」の一連の行動、警告を世界中に認知させることになった。

現在のアメリカ政府にとってシリア情勢への牽制と経済制裁は一方で、中東地域における平和と安全を達成するためのバランスシートであるが、そこへ土足で入って来た「アノニマス」の今回の攻撃は、オバマ大統領にとっても無視できないものだったに違いない。

さらに言えば、対米政策の中で、中国、ロシア、北朝鮮の各国が驚異的なハッカー集団を使って、機密情報の流出を狙って米国を攻撃しているとの噂も深刻化しつつある。そんな中、米国政府は今回のフェイスブックへの攻撃は単に一企業に対する攻撃というよりは、代表的な米国企業の情報セキュリティのレベルを推し量る試金石となってはいけないと考えているはずである。

一方、フェイスブック側に目を向ければ、現在、ソニーの個人情報にハッキングした天才ハッカー、ジョージ・ホッツ氏がおり、本件に対してどのような対抗手段を考えているのか関心深いものがある。また、このような場合、米国政府の威信にかけて、FBIなどからセキュリティの専門家が複数名派遣されていることも十分想定される。そのような意味からすると、11.5の戦いは実質的な「アノニマス」vs 米国との総力戦と言えなくもない。

想定外の攻撃

「アノニマス」はここ数年の間に、ネット決済サービス「ペイパル」やクレジットカード大手の「マスターカード」「ビザ」などにサイバー攻撃を仕掛けてサイトをダウンさせたり、今年に入り、ソニーの傘下サイトや欧州のプレイステーション公式サイトなどを攻撃し一時的に利用停止に追い込むなど、その実績から図れば、とてもあなどれない存在だ。

一方、昨年ネット通販大手の「アマゾン」に対する攻撃では、DDoS攻撃をしかけたものの、アマゾン側に軍配があがった。

今回のフェイスブックに対する攻撃も果たして「アマゾン」に対するそれと同じように、DDoS攻撃に特化してくるのだろうか? 巨大なサーバ容量に対する攻撃に一度失敗している「アノニマス」が同じ失敗を繰り返すかは甚だ疑問である。

単に、DDoS攻撃のみを対象とした場合には、サービスの一時利用停止などが想定されるが、万一ソーシャルエンジニアリングを活用した標的型メール攻撃やシステム脆弱性に対するゼロデイ攻撃でウィルス感染を深化させるなど、複数の攻撃がなされた場合、フェイスブックが対応できるかが真に問われている。

万一、防御に後手を取った場合、サービスの一時利用停止に留まらず、サイトの閉鎖に追い込まれる可能性も否定できない。今回の「アノニマス」の決意表明は、まさにそれが狙いであり、彼らの覚悟である。実行日より約4カ月前に警告を出した「アノニマス」の真意は図りがたいが、それだけ彼らに自信があると思えなくもない。今や世界を代表する企業となったフェイスブックがどれほどの力を発揮できるか世界が注目している。11月5日まであと3カ月を切った。その結果はもうすぐ分かる。

白井邦芳「CSR視点で広報を考える」バックナンバー
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