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コラム

CSR視点で広報を考える

広がるネット犯罪、フェイスブックへの影響

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「名簿屋」ついに特定商取引法違反の幇助罪で逮捕

「おめでとうございます!1千万円贈呈です!」「娘を助けてください!」・・・。荒唐無稽な言葉で始まる迷惑メールに困っている人は多い。「出会い系業者」はメールのタイトル上においしそうなニンジンをぶら下げて短期間に荒稼ぎしている。業者を摘発しても次々に雑草のように増え続け、被害額は増加している。

最近の迷惑メールには、受信者に破格の利益を提示し、その前段階として登録料を振り込ませたり、また、メールに記載されたWebサイトに接続した受信者に情報料などを請求して、「支払わないと法的手段を取る」「貴方のことは調査している。逃げられない」と脅す事例も多くある。この種のメールのさらに問題なのは、こうした脅迫的なメールが1日に何百と届き、スパムメールとなることだ。

今月25日、警視庁サイバー犯罪対策課と愛宕署は、特定商取引法違反(未承諾者への広告メール禁止)の幇助罪の疑いで、メールアドレスを出会い系サイトなどに販売する「名簿屋」社長ら2人を逮捕した。彼らは迷惑メールを送信する目的であることを知りながら、出会い系サイトの運営会社に保有するメールアドレスの情報を販売したもので、名簿屋が摘発されたのは全国初である。これまでイタチごっこだったこの問題に警察が初めてメスを入れたことで、少しでも犯罪拡大の動きが止まることを期待したい。

フェイスブックにも及ぶ巧妙化する迷惑メールやなりすまし!

フェイスブックにおいても東日本大震災の被災者あるいは親族を装い、「私を助けて!」「娘を助けて!」と金員の送金を要求する振り込め詐欺や、メッセージの中の「その他のメッセージ」を利用し、実在するかのようなプロフィールを登録した上で、複数のフェイスブック登録者に送信し、「友達が貴方のウォールに関心を持っているがその子はフェイスブックに登録していないので携帯電話のメールに連絡が欲しい」などと記載して出会い系サイトに誘い込むなど、業者の手口も日々巧妙化している。

フェイスブックでは不正アクセスはないとの神話もあるが、2011年1月にはフランスのサルコジ大統領やフェイスブック創業者のマーク・ザッカーバーグ氏のアカウントがハッキングされ、あたかも本人が書き込んだかのようなメッセージが配信された。ザッカーバーグ氏のメッセージは、それが本人が書いたものかどうかもわからないまま、「いいね!」が1,800回以上も押され、400件以上のコメントが付されたが、偽物と気づく者はいなかった。

東日本大震災の発生直後から海外の男性フェイスブック登録者から一斉に日本の女性フェイスブック登録者に「いつでも日本を出て僕の家においで」と誘うメールが送信された。世界中から毎日送信されるラブコールメッセージに辟易した女性も多くいたと聞いている。フェイスブックでは登録者のほとんどが自身のアカウントに写真を掲載しているため、豊富な資料から特定の女性がターゲットにされてしまったのだと推測している。

世界的に著名なセキュリティ専門家のエディ・ウィレムス氏は、ネットの世界では、「本人が書いたことになっているが、実態は違う」という例は枚挙に暇がなく、クラウドでは自分が本人なのか、ボットなのか、他人のなりすましなのかを証明することができないため、悪意を持った人間が簡単になりすましを行える、と警鐘を鳴らしている。また、推測されにくい「強力なパスワード」や性能の高い「ウィルス対策ソフト」を使用したとしても、使用している通信回線が、常に世界に開かれているという事実を意識することが最も重要であり、決して注意を怠らないことが最善の方法と伝えている。

白井邦芳「CSR視点で広報を考える」バックナンバー
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