自主提案から記者会見へ
2007年北海道夕張市の財政破綻から半年後、僕は夕張市に自主提案をしました。キャラクター「夕張夫妻」を作り尖ったアプローチで夕張市を話題にして再生の足がかりとする。当初はこれを夕張市の様々な負の遺産(つぶれかけた施設やホテル)に活用し「同情するなら金をくれ」的な強烈なメッセージで話題にしていくイメージでした。倒産した父さんと赤字のまっ母さんが手を取り合っているという、夕張の状況をそのまま表した貧乏なキャラクター設定。でも、実際に現地に行ってみて考えが変わりました。自虐だけでは何も救われない。そもそもこの「夕張夫妻」というネーミングは「フサイ」という言葉に「負の負債」と「愛の夫妻」という相反する側面が隠れていることから名付けました。自虐をキッカケに、その裏側にある希望や未来を語っていく。「金はないけど愛はある」という座右の銘や「夫婦円満」というキャラクターの性格に強く光を当てていくようにシフトしました。プレゼン前に夕張の施設を廻りそれぞれにキャッチコピーをつけていきました。例えば「夕張駅」がJR石勝線の終着駅だということを逆手にとって「ここが噂の終着駅、でも愛の始発駅」というように。この感覚が3年弱にわたるキャンペーンの原動力となりました。
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三寺 雅人(ビーコンコミュニケーションズ/エグゼクティブ・クリエイティブ・ディレクター)
三寺 雅人(ビーコンコミュニケーションズ/エグゼクティブ・クリエイティブ・ディレクター)
1975年生まれ。国内広告会社でCMプランナーとして活動後、外資系広告会社ビーコンコミュニケーションズに入社。クリエイティブディレクターとして外資、国内双方のクライアントを担当する。また、クリエイティブの発想やアイデアを基に自主提案を仕掛けていく社内プロジェクトを立ち上げ、夕張市復興キャンペーン「夕張夫妻」を企画・実施。最近ではシマンテック(Nortonセキュリティ)の「犯罪者Nキャンペーン」「たいせつなものキャンペーン」、レノボの「DOキャンペーン」、京王電鉄の「樹の里高尾山キャンペーン」などを手がけている。2012年4月エグゼクティブ・クリエイティブ・ディレクター(ECD)に就任。国際広告賞の受賞および審査員経験も多数。
twitter ID: 3temple
Facebook: http://www.facebook.com/mitsudera
beacon communications : http://www.beaconcom.jp
三寺 雅人(ビーコンコミュニケーションズ/エグゼクティブ・クリエイティブ・ディレクター)
1975年生まれ。国内広告会社でCMプランナーとして活動後、外資系広告会社ビーコンコミュニケーションズに入社。クリエイティブディレクターとして外資、国内双方のクライアントを担当する。また、クリエイティブの発想やアイデアを基に自主提案を仕掛けていく社内プロジェクトを立ち上げ、夕張市復興キャンペーン「夕張夫妻」を企画・実施。最近ではシマンテック(Nortonセキュリティ)の「犯罪者Nキャンペーン」「たいせつなものキャンペーン」、レノボの「DOキャンペーン」、京王電鉄の「樹の里高尾山キャンペーン」などを手がけている。2012年4月エグゼクティブ・クリエイティブ・ディレクター(ECD)に就任。国際広告賞の受賞および審査員経験も多数。
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