私を打ち砕いた老舗の強敵「宣伝会議賞」を切り崩す。
写真で驚かせてしまって申し訳ありません。
はじめまして。佐久間仁美と申します。
平日はデザインのクラウドカンパニーでディレクターとして働き、土日はコスプレで国内外のイベントに参加したりオンライン簿記講座の撮影をしたりしております。アクティブなオタクです。
私は、社会人2年目ですが、既に2回転職しました。同年代の人より多いほうかもしれません。良くも悪くもその経験が今の私を作っています。
高校生からコピーライターになりたくて、大学のゼミもサークルも広告。
当然、大手広告代理店に入って新進気鋭のコピーライター! なんて言われちゃうんだろうなと高をくくっており、履歴書に賞罰を書けるだろう大学3年生の10月。宣伝会議賞に応募しました。しかし現実はそうは甘くなかった。
開いた『宣伝会議』の結果発表号に自分の名前が無い。
賞はおろか、入選にかすりもしなかったのです。そうやって始まった就職活動で受けた広告会社は全滅し、満身創痍で臨んだ夏の採用で証券会社にすべりこみました。大手で安定した職場で学ぶことも多く、先輩にも同期にも恵まれて日々働いていました。
しかし時々、これは私のやりたかったことじゃない、と悔しくてペンを持つ手が震えたのを覚えています。新卒で入ったコピーライターの卵達が今コピーを生んでいるだろうそのペンで、何故私は金融資格の勉強をしているのだろう、と。
クリエイティブに行きたい気持ちは全く変わらなかった。むしろ、一度失敗した分一層強くなっていきました。
第50回を迎えた宣伝会議賞は、25歳の私の2倍。
私を打ち砕いた老舗の強敵はアニバーサリー感を増し、怖さと格式をより備えて聳(そび)えていました。しかしこれは誰にでも開かれた賞で、コピーを書く勇者ならば切り崩す余地のある数少ないダンジョンであります。フェイスブックで「ここで会ったが3年目」という非常に小さなスケールで参加した今回の企画ではありますが、私なりの3年間で出会った人の分だけ、迷った分だけ、きっと戦えるのではないかと思い応募しました。
コピーライターという全てを見ている怖い奴に「なりたいです」。
コピーライターを志した動機。
全てはZ会の広告から始まりました。
人並みの受験生だった女子高生の時。毎日スタバでちょっと勉強なんかして、さもやったような顔でセンター街を抜け渋谷の交差点で信号を待っていました。
その時目に飛び込んできた交通広告が、まっしろな布にでかでかと黒い字で書かれた「高校生は、家に帰って、勉強しなさい」の文字。ビジュアルはそれだけ。しかしその瞬間の私には効果テキメンで、今のしたり顔も全部バレている! とハッと口元を覆ったのを覚えています。
そして私は周囲の予想通り浪人生となり、かすかな希望を持ち心身ともに磨り減る私に、極めつけに届いたDMに書いてあったのは「われわれは、運も奇跡も、信じない」。
なんと願掛けまで知っている!とまたしても私のハートを読みに読んだコピーを目の当たりにし、頭を抱え観念してZ会に入りました。
コピーライターという全てを見ている怖い奴がいるらしい、と刻み込まれた瞬間でした。だったら今度は私もそんな怖い奴の側にまわってやろう、としめしめと思ったのが運の尽き。
学生時代も「なりたいです」って言ってはなれず、新卒採用の時も「なりたいです」って言ってはなれず、最近やっと終わった転職時には「なりたいです」とはもう怖くて言えなくなってしまった。
口にするのも恭しいコピーライター。しかし言葉の魔術師にかけられた魔法はとけないままで、今もDMを机に張った瞬間のキラキラした気持ちが私を熱くします。
そして、今回の応募目標数は3桁。他の応募者よりすごく少ないかもしれません。
しかし忙しい時間をぬって、着実に書いていきたいと思います。
よろしくお願い致します。
明日は、高倉宏侑さん(21歳)の「宣伝会議賞チャレンジ宣言(1)決意の9月編」をお届けします。
挑戦者16人のプロフィールはこちらから。
【宣伝会議賞チャレンジ宣言(1)決意の9月編 バックナンバー】
- 「『コピー年鑑』の編集委員長になる。手始めに、私は宣伝会議賞を獲る」 永井一二三さん(30歳)
- 「グランプリを獲って素敵な初老を迎えたい」中島彰則さん(33歳)
- 「コピーライターとして、自分の名前で勝負できているか?」赤星薫さん(32歳)
- 「趣味の“大喜利”活かして宣伝会議賞に初挑戦」森本祥司さん(28歳)
- 「宮古島から初の宣伝会議賞グランプリを目指す」富山忠彦さん(37歳)
- 「名誉こそ、この賞に応募した最大の理由です」井上真木さん(29歳)
- 「自分の力試しと、夢を叶えるための糧としてグランプリを目指したいです」笹本貴大さん(22歳)
- 「次回のブログ更新までに3000本書きます」郡司淳さん(27歳)
日本最大規模の公募広告賞「宣伝会議賞」は第50回を迎えます。1963年にスタート以来、広告界で活躍する一流のコピーライターのほか、糸井重里さん、林真理子さんといった著名な書き手を輩出してきました。50回目となる今回は50社の協賛企業から課題が出されており、第一線で活躍する100人のクリエイターが応募作品を審査します。課題は9月1日発売『宣伝会議』本誌にて発表、2012年10月31日が締め切りとなります。
「since 1963 コピーライターの登竜門!第50回 宣伝会議賞 特設コンテンツ」バックナンバー
- 【宣伝会議賞チャレンジ宣言(4)波乱の2月編】「5日前まで『宣伝会議』に目を通さず」呉 文恵さん(24歳)(2013/2/14)
- 【宣伝会議賞チャレンジ宣言(4)波乱の2月編】「1次審査通過でちょっとだけ生まれた自信」佐久間仁美さん(25歳)(2013/2/14)
- 【宣伝会議賞チャレンジ宣言(4)波乱の2月編】「誌面に載った自分の名前に興奮」高倉宏侑さん(21歳)(2013/2/14)
- 【宣伝会議賞チャレンジ宣言(4)波乱の2月編】「こんなに緊張する2月は久しぶりだった」藤田雅和さん(38歳)(2013/2/14)
- 【宣伝会議賞チャレンジ宣言(4)波乱の2月編】「前回の倍の本数を出したのに、一次通過数は半減してしまった…」赤星薫さん(32歳)(2013/2/13)
- 【宣伝会議賞チャレンジ宣言(4)波乱の2月編】「待ち遠しかったけど見たくない」中島彰則さん(33歳)(2013/2/13)
- 【宣伝会議賞チャレンジ宣言(4)波乱の2月編】「“選ばれる”ことに飢えていたので、素直に嬉しい結果でした」郡司淳さん(27歳)(2013/2/12)
- 【宣伝会議賞チャレンジ宣言(4)波乱の2月編】「結果発表前は、期待と不安が交互に押し寄せてきた」森本祥司さん(28歳)(2013/2/12)
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