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コラム

CSR視点で広報を考える

なりすまし、同情、ハニートラップ、なんでもありの詐欺的手口を展開するFacebookからの犯罪現状

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犯罪から身を守るには自身の注意喚起しかない

Facebookを通じた詐欺的手口の中には、Facebookの機能を利用して巧みに自身の運営する出会い系サイトに誘導するものが急激に増加している。

彼らの手口の中で一番多く見られるのは、「友達リクエスト」をいきなり送りつけてくることで、写真にはきれいな女性をはりつけ、「基本データ」にも詳細な内容を記載し、好きなFacebookページには多数の「いいね!」を押して、それなりの体裁をつくろっている。

フォローしている人物を見ると「ターゲットとなった人物と共通の居住地」、「職位が代表取締役、代表、社長などトップマネジメントを表示する人物」、「友達が1000人以上いる人物」などに分かれている。同時に「共通の友達」が一人もいないことも特徴である。

友達リクエストが来てからしばらく放置していると、同時にターゲットにリクエストを送付しているらしく1時間もしないうちに承認を得た友達がどんどん増えていき、あっという間には100人単位になる。

中には同じ名前のアカウントを10近く作成し、次々に友達リクエストを送りつけ、スパムメールのような状況となる事態も発生する。このときフォロー中のターゲットを見ると重複も一部あるがほとんどが違う人物が選別されているため、なんらかの基準でターゲットが振り分けられている可能性が高い。

一度、友達リクエストを承認してしまうと、「知らない人物からの友達リクエストでも気軽に承認する人物」として登録され、何度も何度もこの種のリクエストを受けることになる。

居住地ごとにターゲットを絞り込む事例では同姓同名のアカウントが10~100近く作られる事例も散見する。一例はこのサイトからご参照いただきたい。この事例でも同姓同名の50以上のFacebookアカウントが作成されている。

万一承認してしまった場合、メッセージを通じてYahooなどのフリーメールに誘導される。その際のうたい文句は、Facebookはめんどくさい、知らない人からメッセージが多いのでうざいなどの理由で、あなたとは仲良くしたいから、とフリーメールでのやりとりを誘ってくる。

この種のハニートラップ的な内容のほか、なりすまし、同情を誘う、泣き落としなど、ありとあらゆる手口を展開する。フリーメールに移行すると、3回ほどのやりとりがあり、最近はメールも外部に流出する危険があるので安全なサイトを利用して対話しようと、有料サイトへ移行することを薦められるパターンが一般的だ。

このとき気づくのは、このやりとりの内容が極めて違和感がないことだ。他の事例も調べてみると、基本的にシナリオの流れが決まっているものの、対話が成立するように機械的に同一メッセージを複数の相手に送りつけているのではなく、個々の相手の質問に答えるかたちでやりとりをしている点がこれまでのものとは違い、巧妙かつ進化している点である。

この種の移行には幾つかのパターンがある。メッセージの「その他のメッセージ機能」を利用して友達でもない人から、「友達リクエスト」もないままメッセージを送信されることがある。検索をしていたらあなたのことが気になって、とか、私の友人にあなたのことが気になっている人がいて紹介したい、などのよくある理由で誘導するパターンである。この種のハニートラップはFacebookでは散見される。

また、メッセージにはウイルスがはりついていることもあるから安易に開けないほうがよい。それこそ遠隔操作可能なウイルスなどを起動させてしまうと自身のメール内容などが外部の特定サーバーに自動的に送信されて、さらなるトラップの材料となってしまうこともある。

最近では、Facebook運営者側も、知らない人に友達リクエストを多数送りつけたり、共通の友人がいないのに簡単に承認してしまう人物に対して機能の制限を課すなどの対策を講じているようだ。そのような利用者に対して、突然何の前触れもなく、機能が制限されてしまった事例も多数確認している。それでも、見えない相手を前にして、なかなか対策が難しい状況だ。

この種の詐欺的行為については、個人個人が安易にだまされないよう、知らない人物からの「友達リクエスト」を承認しない、不審な「その他メッセージ」を開かない、自身の「ウォール」の公開については可能であれば開示先の設定を限定する、などの対策を講じる必要がある。

さらに、Facebook、Twitterやブログをしている人の中には多くがパソコンとスマートフォン・携帯電話の両方から利用可能な状態にしていると思われるが、そのために両方の端末にウイルスが感染する可能性も存在する。さらに、開示先を制限しているブログで記載したことが「すべてに公開」しているFacebookに連動して開示されてしまうことでセンシティブかつプライベートな情報が外部に流出し、詐欺を行おうとしている人物からターゲットにされてしまう事例も出ているので要注意だ。

白井邦芳「CSR視点で広報を考える」バックナンバー

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