コラム

「世界一ハッピーな会社」をめざして。

その男、クリエーティブ・ディレクター。大島征夫。

share

なぜ電通を出て、今の会社を立上げることにしたか聞かれたら、ボクは迷わずに「大島征夫という人間が好きだったから」と答えると思います。ともかく一緒に会社を興してみたかった。そして長い時間を共に過ごし、多くのことを学び、盗みたかった。そんな、人生を大きく変えてしまう判断をするほどの影響を受けた、大島征夫というクリエーティブ・ディレクター(以下CD)について、今回は語りたいと思います。

大島とはじめて出会ったのは、テレビ局で6年間、メディアバイイングの仕事をした後に異動した営業局で、大手化粧品会社Sの、念願のクリエーティブ担当になった時でした。当時ボクが20代後半、大島が50代後半。

大島は、すでにクリエーター・オブ・ザ・イヤー賞をはじめとする様々な広告賞を受賞している、電通を代表するCDで、上司としてシンガタの佐々木宏さんや、TUGBOATの岡康道さん、コトバの山本高史さんやホッチキスの水口克夫さん、佐藤雅彦さんといった広告業界を代表する何人ものクリエーターを世に送り出してきた存在。それまでクリエーティブの仕事に携わったことのないボクでもその存在を知っている大御所でした。

新米営業として30近く齢の離れた大モノCDとの緊張しながらのはじめてのクリエーティブ作業は全てが新鮮で、予想外で、とにかく楽しかった。

クライアントさんから商品を売りたいという宿題をもらい、スタッフ一丸となって解決策を、売れる方法を考える。スパッといい案が出る時はいい。ところが、そんなのは稀で、ほとんどはなかなかいい解決策が見つからない。新米営業はどうしたらいいのかわからず、ともかくオロオロするばかり。

プレゼンに向けて、大島を除くチームメンバーで長時間打ち合わせをしてもまったく解決の糸口が見つからない。もうこれはダメなんじゃないか、お手上げだ、と思ったとき。遅れて大島がやってきて、それまでの状況の共有が終わるや否や、片手をポケットに突っ込みながらホワイトボードの前に立って、誰もが思いつかなかった解決策を、ペンを持っているもう片方の手でサラサラ〜と、いとも簡単に出す。カッコいい。あらかじめ答を知っていたんじゃないかと思うぐらいの、魔法のような状況が一度や二度でなく、何度もあり、そんな窮地を救われることをボクは秘かに映画「十戒」の海が割れるシーンのようだと思っていました。

的確なクリエーティブ・ディレクションを行なう一方、大島にはとてつもなく大雑把なところがあり、自分の名刺を持ち歩かず、周りの営業が代わりに持ち歩く(今もそうです)。財布にお金がなくなると、銀行のキャッシュカードをヒトに預け、暗証番号を教えておろしに行かせる(今もそうです)。打合せや撮影の合間、どこであっても必ず昼寝をする(今もそうです)。

ともかく豪快な、「親分」なんです。

そんな人間的なスケールの大きさに、一気に男惚れしてしまい、冒頭に述べたように会社を一緒に立上げるに到った、というのが偽りのない正直なところです。会社を立上げ丸8年が経ち、今でこそボクもCDという役割でクリエーティブ作業に携わることが多くなりましたが、それでも大島がいる以上、CDという役職は恐れ多くて名乗れないなあ〜、と思っています。現に、名刺や肩書きは「コミュニケーション・デザイナー」で通しています。それぐらい大島のCD力は突出している。突出しているポイントは3つ。

①まずはディレクションが的確。これはCDとしては必須の能力だと思います。
②次に、ディレクションが早い。迷わない。したがって、大島の入る打ち合わせはあっという間に終わります。長くても30分。
③そして、最後に、実は一番優秀なCDにとって必要なのではないかと思うのが、そのディレクションを信じさせる能力があること。大島が選んだんだから間違いがないだろう、とスタッフやクライアントが納得する何かを持っている。企画作業の早い段階で、CDが進むべき方向を指し示し、スタッフがその方向に企画の深度を深めることが出来れば、自ずといいクリエーティブができるはずです。

最初の2つのポイントまでは何とか真似できていると思うものの、まだまだ3つ目の、自分が選んだ方向性をスタッフに信じさせる能力が自分には欠けていると感じます。ボクの場合はスタッフに納得してもらうために、色々と理屈を述べて、説得をしなければならない。本当の意味でのCDになるためには、理屈抜きで、湧き出るオーラや気迫のようなモノだけで、スタッフに信じてもらえるようにならないとダメなんだろうなあ〜、と日々感じています。そしてそれにはまだまだ精進と経験が必要なんだと思っています。

68th Birthday!

そんな大島ですが、つい先日68回目の誕生日を迎えました。

あと2年で70歳ですが、ビックリするぐらい、若々しい。毎日のように酒を飲み、毎週のようにゴルフをして、労働時間は夕方からと決して長くはないですが(笑)、角ハイボールをはじめとするさまざまなキャンペーンのCDとしてバリバリ仕事もするカッコいいオジサンです。

ハッピーな仕事をしてみたいというかた、「十戒」のように海が割れるのを体験してみたいかた、どふぞ一度ご相談ください。決して後悔はしないはずです。

Follow Us