世界広告祭(正式名称はカンヌライオンズ国際クリエイティビティ・フェスティバル)が行なわれているフランスのカンヌでこの原稿を書いています。この原稿が世に出る時には、既に全ての入賞作品が発表されていることでしょう。黒子であるはずのヒトたちが、過去に起きた事例について評価をし合う広告賞の類いのモノにボクはあまり興味がないのですが、一年に一度、自分自身が刺激をもらうために、極力カンヌには足を運ぶようにしていて、今回で6回目になります。
世の中便利になっていて、受賞作品なんてのはどこにいても、すぐにインターネットで見ることができてしまいますが、世界中から自分たちと同じ仕事をしている人間が一同に介して、現代の広告についてガッツリ語る1週間というのはなかなか代え難い経験です。地球の裏側のブラジルのコイツも、インドのこのヒトも、同じ悩みや苦労を抱えているんだなあ〜、と思わされるのは新鮮です。
そんなカンヌで感じたことを書いてもいいのですが、カンヌについては色々なヒトが色々とレポートをしているので、もうちょっと他のことを書かせていただきます。
少し重たいのですが、ボクが仕事を進める上だけでなく、生きていく上で一番大切だと思っていることについて。
ボクが一番大切だと思っているもの、それは「ヒト」です。
全てのことはヒトからはじまり、ヒトで終わる。
「いいヒト」と付き合う
多かれ少なかれ人間は、周りのヒトに色々な影響を受けながら生きていきます。ハッピーなヒトが周りにいればハッピーになるし、ネガティブなヒトが周りにいれば自分の気持ちも落ち込むこともあるでしょう。そんな中、できるだけ「いいヒト」「素敵なヒト」と付き合うことが大事だと思います。
素敵な先輩からは多くのものを学ぶことができます。いつかはこんなヒトに自分もなりたい、追いつきたいというモティベーションが湧き出ます。ボクも電通時代の先輩をはじめ、日頃お付き合いしている経営者の方々からも多くのことを学ばせていただいています。メガネブランド「JINS」を経営するジェイアイエヌの田中仁社長は会ってお話をするたびにポジティブなパワーを与えてくれますし、いつも経営者としての自分の未熟さに気づかされます。永谷園の永谷㤗次郎社長はボクにとって兄貴分のような存在で、電通グループから独立をする際のアドバイスと勇気をいただきました。
先輩だけではありません。素敵な仲間や後輩の前では、自分自身も素敵な存在であろうとしますし、カッコいい存在であり続けたいと思うものです。dofでボクの下で働いてくれている畑間晶太の前ではきちんとお手本を見せなければと思いますし、同期入社でプライベートでも仲がいい、電通のアート・ディレクター 戸田宏一郎君との仕事の時は背筋が伸びます。新入社員の時にボクが教育係として接した電通の東畑幸多君や、学生時代にOB訪問でボクのところを訪ねて来た元電通の志伯健太郎君(現glider)の前ではいつも以上に自分の中での「頑張るスイッチ」が入るのを感じます。
このように、いいヒトと付き合う事が、一番自分自身を磨くことにつながるとボクは考えています。
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