P1 京セラコミュニケーションシステム「ロイヤルカスタマーへのターゲティングが鍵」、コムニコ「ファン数×エンゲージメント率=リーチ数」
P2 サイトコア「おもてなしを構築するパーソナライゼーション」、トライバルメディアハウス「効果の可視化によって成果が上がる」
おもてなしを構築するパーソナライゼーション
講演者:花田敦志(サイトコア ソリューションセールスマネージャ)
この数年、消費者の行動は、店舗に入って数秒で購入する商品を決める「FMOT(ファーストモーメントオブトゥルース)」から、店舗へ行ったときにはすでに何が欲しいか決まっている「ZMOT(ゼロモーメントオブトゥルース)」へと大きく変化した。
サイトコアの花田敦志氏は「WEBサイトが購入者の意思決定の各プロセスにおいて非常に重要な役割を果たし、購入後、情報を広く共有することで新たなZMOTが生まれている」と話す。
2006年以降、ブログやソーシャルメディアなどの誕生により、情報の流通量が飛躍的に増加した。この情報量は、「とっくの昔に、人間が理解して行動できるキャパシティを超えている」と花田氏。こうした時代のWEBサイトの悩みは、伝えるべき情報をうまく伝えられないこと。
そこで登場するのが、エンゲージメントを構築するための「パーソナライゼーション」。WEBサイトを訪れる人の情報を基に、その訪問者に対して最適なコンテンツを提供する手法だ。その具体的な活用方法を、サイトコアのユーザーであるLCCのeasyJet、脱毛サロンのミュゼプラチナムなどを例に紹介。コンテンツの更新・編集ををシンプルにするCMSに、マルチデバイス対応やパーソナライゼーションを簡単に行う機能を搭載していることが「お客さまから評価いただいているポイント」(花田氏)と話した。
効果の可視化によって成果が上がる
講演者:池田紀行(トライバルメディアハウス 代表取締役社長)
トライバルメディアハウス代表取締役社長の池田紀行氏は、ソーシャルメディアの効果測定法について、企業が抱える現状の課題と、その解決方法について解説した。
日本企業のソーシャルメディアマーケティングは、広報やプロモーション、キャンペーンを目的とした取り組みが主流。しかし、目的が不明確なまま始めているケースも多く、成果が見えにくい状態であることが少なくない。主な原因としては、ノウハウが足りない、人が足りない、測定の手法が難しい、といったことが挙げられる。
こうした状況を踏まえ、成果を上げるためには、取り組みの効果を“見える化”することが必要だという。池田氏は「効果測定において最も重要なのは、まず取り組みの目的を明確にすること」と強調する。目的が決まれば、測定する指標は自ずと決まる。たとえばソーシャルメディアは明日の売上づくりや潜在顧客の育成、投資対効果の向上に長けており、その特徴を踏まえた目的設定が可能だろう。
一方で「ダイレクトマーケティング業態を除き、売上を成果の指標に設定するのは危険」(池田氏)とも説いた。売上はマーケティング力の総体であり、マーケティングとコミュニケーションのゴールは明確に分けるべきだという。そうして最終的に運用の効果を可視化するにあたっては、KPI、KGI、そしてLTV(顧客生涯価値)の関係を把握することが必須と語った。
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