登壇者 : 田村 考(ユー・エス・ジェイ/マーケティング部 デジタルマーケティング マネージャー)
口コミの目的はブランド体験の共有
田村 考氏(ユー・エス・ジェイ)
デジタルマーケティングのマネージャーに就任した2012年4月、「ソーシャルメディアはユニバーサル・スタジオ・ジャパン(USJ)のビジネスに明確な効果を与えているのか」という課題がありました。
遡りますが、弊社では2010年の新アトラクションオープンにあたり、Buzz型口コミプロモーションとしてAKB48とオンラインでジャンケン勝負ができるスペシャルサイトを立ち上げました。総ジャンケン回数は400万回。一過性の話題作りとしては成功と言えますが、社内の人間も翌月には忘れているほどプロモーションとは短命です。しかも肝心のUSJや新アトラクションの口コミですらない。口コミが「ブランド体験の共有」や「メディア情報の反響」だと定義づけるなら、これは口コミにはならなかった、というのが結論でした。
ユーザー起点で100万人規模に
口コミを成功させるにはマス規模での展開が必要です。そこで当時の主だったソーシャルメディアすべてに公式アカウントを持つことにしました。複数展開によるブレを防ぐため、コンセプト「We are Universal Studio Japan」を用意し、オフィシャルサイトの中には具体的な情報を発信するパークコンシェルジュや各キャラクターという「点」を増やす工夫もしました。そして開園10周年にあたる2011年3月に各ソーシャルメディアでの公式アカウント開設を完了しました。
フォロワーの目標総数は100万人。具体的には口コミが2~3倍に拡散すれば、240万人にメッセージが到達するという設定です。まずは、ワンピースショーの認知度を高めるために、満足度の高い体験者からツイートしてもらうことにしました。発信者にはリハーサルを見学できるなど希少性のあるインセンティブを与えます。分析の結果、期間中に「USJ ワンピース」などの言葉を含んだ投稿は延べ6500、リツイートが2500でした。それらツイートのフォロワー延べ数は300万人、実質100万以上に到達する力があることがわかったわけです。
当時公式フォロワーは5万人いましたが、一次拡散だけでは33万人が限度です。ワンピースのコアファンによる特殊事例ではなく、ハロウィーンやクリスマスのイベントでも、同様もしくはそれ以上の規模になったことから、企業から直接100万人への口コミを目指すのではなく、ユーザー8000人程度から発信・拡散してもらうのが効果的という結論にたどり着いたのです。
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