登壇者: 本橋 豊(パナソニック/エコソリューションズ社宣伝・広報グループ 参事)
「早すぎた仕掛け」で学んだもの
本橋 豊氏(パナソニック)
(前身の)松下電工時代から16年、一貫して宣伝企画を担当しています。入社4年目の2000年に「うちの子よろぴく」というiモードでの新感覚コミュニケーションゲームを仕掛けました。これはペット「育成」ではなく「放育」、つまりペットを他人に預けてかわいがってもらい偶然の交流を生み出すことで、ランダムメールコミュニティを形成する、今でいうSNSみたいなものですが、そのやりとりに製品のPR情報を入れ込むというものです。
新聞にも取り上げられ、テスト段階でコミュニティ内メールは1日10万通に達し、盛り上がりを肌で感じました。けれどこれはテストで終わってしまいました。パケット代がかさみ、ユーザーに負担がかかるためです。13年前のネット環境では早すぎた仕掛けだったと言えますが、「一つの目的を持ったコミュニティは活発になる」という、学びの経験になりました。
現在所属するエコソリューションズ社は、住まいや施設の設備を扱っていますが、最近特に力を入れているのがLED照明です。ランドマークにLEDを納入し、同業施設への営業を展開、その中には社寺も含まれます。今回の清水寺プロジェクトは2012年11月の末、「年末に清水寺ライトアップの新聞広告を出すが、広告以外に情報を拡散させる仕掛けがないか」という同僚K氏からの1本の電話で始まりました。
「面白そうですね!」と言ったものの、ジャスト1カ月しかありません。構想→β(ベータ)版→データ作成→システム確認、並行して告知計画も考えなければいけない。正直ムリな計画です。こういう時に助けてくれるのが普段からのネタ収集です。アンダーレイ(下敷き)とも言いますが、普段から集めていたネットで仕掛ける体験型の事例を検証、「つい触りたくなる」「振るだけで動く」など人間の好奇心に訴え、しかもシンプルな方法で、スマホやタブレットの中で清水寺の鐘を鳴らせたら面白いんじゃないかと考えたわけです。
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