幅広い業種・業態の企業でデジタルマーケティングに取り組む責任者・担当者が登壇した講演はもちろん、そうした企業の取り組みをサポートするツールや技術を紹介する展示にも多くの人がつめかけ、会場全体が熱気に包まれました。
既存のサービスをスマートフォンに代替
登壇者:中西 健次(カルチュア・コンビニエンス・クラブ エンタテインメント事業本部 FC本部 販促企画ユニット ユニットリーダー)
リアル店舗とネットを連携し、集客や販促効果を高めるなど、O2O施策で先行するカルチュア・コンビニエンス・クラブが、その成功の秘訣を明かした。
TSUTAYAのほか様々な提携先でTポイントを利用するT会員は、2013年4月末時点で4504万人に達し、拡大傾向にある。同社 FC本部 販促企画ユニット ユニットリーダーの中西健次氏は、現況について「スーパーやドラッグストアなどの加盟店が増えたことで、幅広い年代へTポイントが普及した。よってO2O施策についても、このユーザー層の変化を考慮した対応が必要になった」と話す。
この状況に対して同社は、Webサイトのオールデバイス対応、ユニバーサル化、ライトユーザーに対応したリニューアルを実施。合わせて、顧客の利便性を高めるアプリの提供を始めた。その「TSUTAYAアプリ」は、スマホを売り場に代えるというコンセプトで開発。クーポン発行や在庫検索、利用履歴の閲覧をスマートフォン上で可能にした。
また、機能の一つである「TSUTAYA AR」は、画像認識技術を活用し、スマートフォンのカメラでDVDなどのジャケット写真を読み込むと、商品情報やプロモーション動画を提供し、スマホを試聴機に代えるというものだ。さらに、店舗に導入されたセルフレジと会員証アプリを連携することで、スマホが会員証となり、簡単に決済できる仕組みを開始した。このように、TSUTAYAでは、既存のサービスをスマートフォンに代替させる事により、よりユーザーにとっての利便性を向上させている。
感動のシェアが顧客を呼ぶ
次に、SNSの活用について、中西氏は、「これまでの企業からの一方的な情報発信ではなく、お客さまと並列でのコミュニケーションが必要」と話す。“感動のシェアが顧客を呼ぶ”というキーワードを掲げ、「まず感動を起こさせる。その感動をSNS上でシェアしてもらう。それが、結果的にお客さまの来店につながる」と言及。その具体策として、DVDなどをレンタルや購入の履歴をFacebook上で公開し、友だちと共有できるアプリ「コレみた!?」を紹介した。
また、公式アカウントで運用しているLINEの事例では、自動応答機能を活用し、ユーザーから話しかけられた際に、事前に登録しておいた商品情報や映画の名言などをアットランダムに返してコミュニケーションを図る手法を解説。こうした取り組みにより、登録者数はわずか10カ月で330万人を突破したという。
最後に将来の展望として、中西氏は、「アプリやスマホの力を借りながら、お客さまの手の中にTSUTAYAを届けていく世界観を実現したい」と語り、講演を締めくくった。
「これからのマーケティングに求められること」
をテーマに、コメントをいただきました。
マーケットを創る意志
中西 健次(カルチュア・コンビニエンス・クラブ)
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