従業員による不適切なネット書き込みの影響力を検証――閉店やブランド否定につながる従業員のネット書き込みは致命的リスクか?(下)

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各社の危機管理対応はどうだったのか?

バーガーキング

「バーガーキング」は、8月1日に、「バンズの上に寝転ぶ状況や制服でゴミ箱に体を入れる状況」を撮った不適切な写真がtwitterで投稿されていることを認知し、翌2日に「

【お詫び】当社アルバイト従業員によるオンライン上への店舗撮影画像公開に関して

」を公表した。

対応としては、社内コンプライアンス体制の強化、従業員指導、投稿従業員への厳重処分、在庫管理の見直しなどを発表している。「ほっともっと」の不適切投稿とタイミングを同じくし、沈静化しつつあった不適切投稿がコンビニから飲食店にシフトした影響を受けて、ツイート波及も長期化した。

ツイートの波及状況については、約1カ月半(7月11日から8月26日までの期間)に36,080件の「バーガーキング」に関するつぶやきがあったが、「お詫び」の翌日で4,045件がツイートされ、ほぼ1日で約11.2%が集中していたことが確認された。

ほっともっと

「ほっともっと」は、8月3日に、「冷蔵庫の中に入り寝そべっている状況」を撮った不適切な写真がtwitterで投稿されていることを認知し、5日に「

お知らせ」(従業員による不適切な行為に関するお詫び

)を公表した。なお、「ほっともっと」は、発見当日の3日に、速やかに会社のツイッターのアカウントを通じて「お詫び」を出していたが、拡散が止まらず、テレビ報道の翌日5日に公式ホームページで再度「お詫び」を掲出する事態となった。

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白井 邦芳(危機管理コンサルタント/社会情報大学院大学 教授)
白井 邦芳(危機管理コンサルタント/社会情報大学院大学 教授)

ゼウス・コンサルティング代表取締役社長(現職)。1981年、早稲田大学教育学部を卒業後、AIU保険会社に入社。数度の米国研修・滞在を経て、企業不祥事、役員訴訟、異物混入、情報漏えい、テロ等の危機管理コンサルティング、災害対策、事業継続支援に多数関わる。2003年AIGリスクコンサルティング首席コンサルタント、2008年AIGコーポレートソリューションズ常務執行役員。AIGグループのBCPオフィサー及びRapid Response Team(緊急事態対応チーム)の危機管理担当役員を経て現在に至る。これまでに手がけた事例は2700件以上にのぼる。文部科学省 独立行政法人科学技術振興機構 「安全安心」研究開発領域追跡評価委員(社会心理学及びリスクマネジメント分野主査:2011年)。事業構想大学院大学客員教授(2017年-2018年)。日本広報学会会員、一般社団法人GBL研究所会員、日本法科学技術学会会員、経営戦略研究所講師。

白井 邦芳(危機管理コンサルタント/社会情報大学院大学 教授)

ゼウス・コンサルティング代表取締役社長(現職)。1981年、早稲田大学教育学部を卒業後、AIU保険会社に入社。数度の米国研修・滞在を経て、企業不祥事、役員訴訟、異物混入、情報漏えい、テロ等の危機管理コンサルティング、災害対策、事業継続支援に多数関わる。2003年AIGリスクコンサルティング首席コンサルタント、2008年AIGコーポレートソリューションズ常務執行役員。AIGグループのBCPオフィサー及びRapid Response Team(緊急事態対応チーム)の危機管理担当役員を経て現在に至る。これまでに手がけた事例は2700件以上にのぼる。文部科学省 独立行政法人科学技術振興機構 「安全安心」研究開発領域追跡評価委員(社会心理学及びリスクマネジメント分野主査:2011年)。事業構想大学院大学客員教授(2017年-2018年)。日本広報学会会員、一般社団法人GBL研究所会員、日本法科学技術学会会員、経営戦略研究所講師。

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