飲食店やコンビニ従業員によるネットへの悪ふざけ写真投稿、フェイスブックの“なりすまし”事件、ふとした発言がきっかけとなった企業公式アカウントのツイッター大炎上など、広がり続けるWeb上のリスク。その防止策を研究し、ソーシャルメディアを企業が活用する際のリスクや対策を考えるニューメディアリスク協会は、Webリスク対策の最前線について10日、有識者や専門会社らを招いてセミナーを開催した。
セミナーでは、スマートフォン、ソーシャルメディアの普及によって、ここ数年、年間約3倍という勢いで増えているという炎上実例を紹介。現在、ソーシャルメディア上でもっとも炎上が多いのは「1位:ツイッター、2位:2ちゃんねる、3位:フェイスブック、ライン、ミクシィなどの閉じたソーシャルメディア」という調査結果をもとに、それぞれの炎上傾向や対策などが語られた。
協会理事長を務める慶應義塾大学教授 中村伊知哉氏は、8月にテレビ放映された「天空の城ラピュタ」での“バルス”ツイートが秒間14万3199回という過去最高記録を打ち出した例などを用い、「今や日本人の個人ネット発信量は世界平均の約5倍。Web上のリスクを考えるには、日本特有のネット文化を知ることも必要」と強調するとともに、「ソーシャルネットワークの広がりから、これからの時代は幼稚園児のWebリスクケアも必要になってくるはず」と先を見据えた。当日のセミナー来場者は432人。Webリスクに対する注目の高さがうかがえた。
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