内に閉じこもることなく勇気を持って対話を始めよう
———大学という教育の場で「対話」の効用を実感しているお二人ですが、「編集者にとっての対話」について聞かせていただけますか。小林:
私が20代の頃に接した当時50~60代の編集者たちは、独特の個性をお持ちの方ばかりで、人間としての存在感がそれぞれにありました。編集者魂とでも言いましょうか。それに触れるとこちらもがんばらなくてはいけないという気持ちになるんです。ところが、10年くらい前から編集者と会っても、感じるものが少なくなってきました。たとえば、編集のやり方も最初の打ち合わせのあとはメールだけのやり取りになったり、会ってもちょっとお茶を飲んでさっさと帰ってしまったり。特に若い世代にはパッションを感じなくなった気がします。