「愛情たっぷりの“おせっかい”を表したいと思った」——第51回宣伝会議賞 グランプリ受賞者に突撃インタビュー

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3月19日(水)、第51回宣伝会議賞の最終審査会が行われ、ファイナリスト23作品の中から、グランプリ、コピーゴールド、CMゴールド、眞木準賞、シルバー(7作品)の計11点が、入賞作品に決定しました。ここでは、旭化成「サランラップ」の課題で、見事グランプリを獲得した高崎真梨子さん(25歳・電通、プランナー/東京都)に、現在の心境と作品に込めた思いなどを聞きました。

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——宣伝会議賞へのチャレンジは今年が何回目か。

3回目です。入社して、同期の間で話題になっていたので知りました。最初は好奇心から出しましたが、当時はコピーと言われても何を書けばいいのかわからなかったので、CMコンテのようなものを1本だけ出しました。

——トータルでどれくらいの数のコピーを考えたか。

正確には覚えていないのですが、20本くらいです。今回は旭化成さんの課題だけに絞っていました。どれぐらい時間をかけたでしょうか……。集中してデスクに向かってコピーを書く、というのができないので、常に何かしながら、脳の片隅でサランラップのことを考えていました。ふと何かを掴むと書きとめる、という風にしてまずは切り口を揃え、あとで、冷静になって、改めてそれらの切り口と向き合い、芽がありそうなものを形にしていくという方法でコピーを書いていました。なので、出していないコピーも含めるともっとあるのと、時間もかけている方だと思います。

——作品がひらめいた瞬間のエピソードは。

かかった時間は正確には分からないのですが、でも、ひとりで部屋にいるときに、思いついた気がします。色々調べて、サランラップが高性能なのはわかって……。でも、このサランラップがおいしさをキープするのに適していることを表すために、何をどう言えばいいか……。私は、どんなおいしさをキープしたいだろうかと考えていたら、ふと「母の味」が思い浮かびました。

——作品に込めた思いは。

ひとり暮らしをしてもうすぐ3年になります(授賞式では緊張しすぎて2年ぐらいと言ってしまいましたが……)。たまに実家に帰ったときに食べる母の手料理は、昔と変わらず美味しいのですが、私は昔ほどたくさんは食べられなくて、すぐにお腹いっぱいになってしまいます。それなのに、母はなぜか、「大丈夫大丈夫、まだ食べられる!」と自信たっぷりに、毎度、明らかに作りすぎる。できれば全部食べたいけど……無理……でも、食べたい……。ひとり暮らしをするようになって、前にも増して、母の手料理が余るのを、もったいないと思うようになりました。

切り口自体は新しいものではないのでしょうけれど、この感覚をコピーにしたくなりました。うまく、この愛情たっぷりのおせっかいを表せたら、読む人によっては、くすっと笑ったり、じんときたり、実家を思い出したりしてもらえるのではないか、そしてそんなシーンに、サランラップがそっと添えられていたらいいなと思いました。(あと、これは私だけかもしれませんが、なんとなく実家で使っているというだけで、それを買うのが正解な気がしませんか…?)。

色々言い回しを変えてもみましたが、最終的には、いつも自分が母に言っている言葉が一番リアルだし、素直だと思い、そのままことばにしました。

——受賞を受けての、現在の心境は。

本当に、まさか取れると思わなかったので、まだ信じられないです。様々な偶然が重なって、広告業界を知り、この賞を知り、応募し、あのコピーを書いたので、そのひとつひとつの偶然に感謝したいと思います。

——受賞の報告をした時の、家族や職場からの反応は。

仕事中かもしれないと思い、家族にはメッセージで報告をしました。母からは打ち間違いだらけのメッセージが返ってきて、父と妹からは私のテンションを上回るメッセージが返ってきました。家族も、まさか私が受賞するとは思ってなかったのでしょう。

上司もこれまた打ち合わせ中だと思い、メッセージで報告しました。やはりとても驚いた様子でしたが、「(所属部署の担当である)Eコマースという専門性にとらわれず、色々な角度で発想できるように、柔軟でいなさい」というような上司なので、とても喜んでくれました。翌日、部内で祝ってもらいました。それから、「で、次はなんの賞狙うの?」と。スパルタですよね……。

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