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コラム

企業トップが語る“次世代リーダー”の育て方

失敗を重ねることで成長が早まる。ただし失敗は「早く・安く・分かりやすく」 ——ホットリンク 取締役COO 成瀬功一郎氏に聞く

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——今おっしゃったようなことを、会社としてスタッフに学んでもらう機会などは設けているのでしょうか?

2010年からしっかりとした社内の教育研修制度立ち上げました。

当時ホットリンクの社外取締役だった海老根智仁さんにお願いして、戦略論とかマーケティング論みたいな研修というのを、エンジニアも含めて全員徹底的に受けてもらいました。

そのおかげで、当社のエンジニアは、お客様ニーズや市場環境について、営業と対等に話ができます。それが、結果的として当社が良い製品を作るということに、つながっていると実感しています。

——その研修制度は今も引き継がれているのでしょうか?

今は人も増えたので、外部の研修制度を取り入れています。半年単位とかでメンバー一人ひとりにプログラムを与えて、かつそれをちゃんと受けてないと評価が下がるくらい、つまり個人の評価制度と研修を強く結び付けているのです。

それ以外には、「リーダーシップ研修」やオプトグループの「経営者育成研修」というものがあります。経営者育成研修は、それを受けるためのレポート試験もあったりします。

オプトグループ全体で130人以上の応募があって、受講できるのは35人くらいという狭き門なのです。ホットリンクからは、現在3名受講しています。

当社で行っている「リーダーシップ研修」というのも、マネージャーが受けるものという位置付けではありません。というのも、仕事においては、役職に関係なく、リーダーシップを発揮しプロジェクトを推進するというのはよくあること。つまり、リーダーシップは全員が持つべきものなのです。

我々が目指すのは、誰も開拓したことのない領域を常に市場開拓しながらプロダクトを作り、マーケティング戦略を考えて行くこと。そうなるとメンバー全員にリーダーシップがなかったら到底実現できません。

感銘を受けた書籍を定期的に紹介

——会社として、研修の環境を整えていますが、そうした中で、「自主的に取り組んでほしい」と思うことはありますか?

先ほどの「自分で考えて判断すること」と通じますが、「自分ならどうするか?」目線を持つことでしょうか。

よく「そう思うなら自分でやれば?」と、突き放すかのような言い方をするのですが、そうなると腹をくくってやらなければという気持ちが湧いてきて、周囲を巻き込んだり、もっと深く考えたりするようになりますからね。

私が以前いたオプトには「情熱オーナー制度」という、情熱を持ったリーダーが責任を持ってプロジェクトを進めるという仕組みがあるのですが、やはり情熱が大切です。

——確かに、情熱を持って、自ら積極的に取り組めば、成功するにせよ失敗するにせよ、その時の経験とか感情は大きな成長の糧になりますよね。ほかに、よく伝えていることなどありますか?

感銘を受けた本はよく紹介しています。週に1冊以上ぐらいのペースで読んでいるのですが、「これは読ませたい!」というものは、ミーティングで伝えたり、場合によっては研修のように時間をとって、その本のエッセンスを私なりに解釈した内容を伝えたりすることもあります。

——ちなみに最近感銘を受けた書籍はなんでしょうか?

最近、当社が上場(2013年12月)したこともあり、スタッフには「幸せなお金持ち」になってほしいと思っていて、その時に改めて最近読んで良かったのが、本田健さんの『ユダヤ人大富豪の教え』のシリーズです。

「パート1」も「パート2」も良いのですが、「パート3」が非常に刺さりました。

「人の人生というのは人間関係でできている」という、シンプルでありながら深い内容でした。

要するに「自分の人生はこんなもの」と決めつけてしまえば、その通りの人生になってしまう。そう思ってしまう要因は生まれてからの自身の人間関係にあるので、過去の人間関係を癒していくことで、自分の人生は変えられるということが書かれていて、メンバーに薦めています。

次ページ 「先入観を打ち破る質問をするのが自分の役割」に続く