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コラム

企業トップが語る“次世代リーダー”の育て方

失敗を重ねることで成長が早まる。ただし失敗は「早く・安く・分かりやすく」 ——ホットリンク 取締役COO 成瀬功一郎氏に聞く

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【前回のコラム】「「新しいものにワクワクしつつ考えられるか?」 ――VOYAGE GROUP 取締役CCO青柳智士氏に聞く」はこちら

時代の流れがますます速くなっている昨今、求められる人材においても、そうした流れに翻弄されることなく、しっかりと考えて行動できる「マーケティング思考」が、マーケティング部門のみならず、あらゆるビジネスパーソンに求められる時代なってきている。
このコラムでは、そうした「マーケティング思考&行動」ができる人材を育成するにはどうすればいいのか?企業のトップに、人材育成について考えていること、大切にしていること、実践していることなどを聞いていく。
今回は、ソーシャルメディア分析ツールやソーシャルリスクモニタリングサービスなど、ソーシャル・ビッグデータを活用するためのクラウドサービスを提供している、ホットリンク 取締役COO 成瀬 功一郎氏に聞いた。

判断を他者に委ねる人にクリエイティブな発想はできない

——貴社が社員に対して“求めている力”とは、どのようなものでしょうか?

成瀬 功一郎(ホットリンク 取締役COO)

当社の「存在意義」は「Make the World “HOTTO”」です。これは、我々は知識循環型社会のインフラを担って、世界中の人々が“HOTTO(ほっと) ”できるような世界を実現・貢献するために存在している、ということなのですが、このために「自身で考えて、動ける力」が大切だと思っています。

また、当社では「社員」や「従業員」という呼び方をせず、「メンバー」と呼んでいます。みな「さん」づけで呼んでいて、代表の内山にしても、「社長」と呼ぶのを禁止しているくらい(笑)。

なぜなら、この変化の速いデジタルの領域において、従来のピラミッド型組織ではスピーディーな変化に対応ができないと思っているからです。なので、当社は組織のイメージを「逆さピラミッド」と言っています。要するに、経験が豊富な経営チームは、メンバーやマネージャーを支えるのでピラミッドの一番下にいるイメージです。

「私たちが皆さんをサポートするので、皆さんは会社の代表として、自主性を持ってお客さまやパートナーなどのステークホルダーと接してください」と言い続けています。

——それはよい仕組みですね。そうなると、スタッフからの相談が多いのではないですか?

そうですね。ただ、「○○ってこうなんですけど……」と聞かれても絶対に指示はしません。「あなたはどう思ってるの? どうしたいの?」と質問を返すようにしています。

やはり「私は○○だからこう思います。ついては実施していいですか?」という自分の考えと判断がないと。判断を他者に委ねる人にクリエイティブな発想はできないと思っています。

また、仮に失敗したとしても、それ自体は問題ではありません。当社には「失敗は、早く・安く・分かりやすくしなさい」という「失敗3原則」というのがあります。やはり、人間は失敗から多くのことを学びます。だから失敗をたくさんした人の方が実は成長が早い。だから「失敗しても構わない」ということを常に言っています。

ただ、同じ失敗を繰り返すというのは、そこから学んでいない、成長していないということなので、かなり厳しく言いますけどね。

次ページ 「会社としてスタッフに学んでもらう機会」に続く