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コラム

企業トップが語る“次世代リーダー”の育て方

「チームをひとつにまとめる『指揮者』であれ」――オグルヴィ・アンド・メイザー・ジャパン久保明彦社長に聞く

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グローバルネットワーク生かし日本企業の支援へ

——社員の育成はどのようにしていますか。

今年8月にオフィスをリニューアルした

研修制度と現場での育成の双方があります。研修だけでも年間20以上のプログラムがあるほか、グローバルでも数十のプラグラムがあり、東京オフィスからも適任者を送り出しています。各拠点の同じ職種のスタッフ同士で1カ所に集まってミーティングを行い、ベストプラクティスを紹介し合うような機会もよく開かれます。

O&Mは世界で約2万4600人、アジア太平洋地域だけでも約8000人のスタッフを抱えています。こうしたグローバルの量と質は強みです。もっとも、我々がこのネットワークを使いこなせなければ何の意味もありません。コミュニケーションを通じて多くのスタッフをまとめる力や、彼らから謙虚に学ぶ姿勢が求められると言えます。
   
——日本でのビジネスにあたって、今後の展望と課題は。

日本市場でO&Mができることはたくさんあると考えています。具体的には、グローバル展開を強化したい日本企業のマーケティングをお手伝いしていくことです。国内市場の成長性が鈍化する中で、海外、特にアジアを狙う企業はさらに増えるでしょう。そうした多くの企業の選択肢に当社が入るように、もっとアピールしていくことも必要だと考えています。

2020年の東京オリンピックもひとつのチャンスと捉えています。過去のロンドン大会や北京大会でも、WPPグループやO&Mは大きく関わってきました。3週間の期間中にとどまらず、グローバル規模で日本に注目が集まるのがオリンピック。日本企業にとっては大きなチャンスと言えます。

デジタル領域でのO&Mの強みも発揮していきます。特にDMP(データ・マネジメント・プラットフォーム)などについては今後有望な分野で、アジアに優秀なスタッフが多くいます。こうしたグループの強みも生かして日本のクライアントの支援をしていきたいですね。

——プライベートについてもお聞かせください。

15~16年ほど、マラソンを続けています。2004年にニューヨークシティマラソンを走ったのを皮切りに、様々な大会に出ています。東京マラソンも3回走りました。今でも週に15キロくらいは走ります。始めたのは40歳を過ぎてから。仕事が忙しくなる一方で、体重が増えたり体調を崩したりしたことがきっかけです。

走っているとき、ずっと忘れていたことを思い出したり、ふと仕事のアイデアが浮かんだりすることがよくあります。こうしたことはゴルフではあまりないんですよね。

<取材を終えて>

「グローバルなネットワークを持つのが外資系企業の良さ。生かさないのはもったいない」と強調する久保社長。自身も前職時代にはヨーロッパ勤務を経験した。スタッフにはそれぞれの分野でプロフェッショナルとして成果を出すことを求めながらも、現場のモチベーションを大切にしている姿勢が伝わってきた。

 

久保明彦
オグルヴィ・アンド・メイザー・ジャパン 社長兼グループ代表

1981年、マッキャンエリクソン博報堂(現マッキャンエリクソン)入社。主に営業職として、東京のほかアムステルダム、ロンドンでネスレや日系企業のグローバルコミュニケーションを担当。大阪支社長などを経て、2009年にPR会社ウェーバー・シャンドウィック代表取締役に就任。2012年5月、オグルヴィ・アンド・メイザー・ジャパンに入社し、同年9月、同社初の日本人社長に就任した。