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コラム

電通デザイントーク中継シリーズ

堀江貴文×山本憲資 最先端のサービス開発に必要な目のつけどころって?

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雑誌の電子化はどうなる? オールドメディアのこれから

堀江:僕はいまキュレーションマガジン「アンテナ」のアドバイザーもしています。雑誌の売り上げは右肩下がりの状況が続いています。そうすると、ハイブランドの広告の出し先がなくなります。アンテナをそういったブランドの広告の受け皿にしたい。いま数百万ダウンロードまで来て、お陰さまでナショナルクライアントからの広告出稿が急増しています。雑誌的な媒体で、スマホに特化して、ダウンロード数を稼いで、メディアとして成長する流れができつつある。電子雑誌は、よく紙媒体と同じUIにしようとするけど、あれは間違いです。スマホでサクサク見られないといけないし、記事の作り方自体もスマホに特化した形に変えていかないといけない。

山本:雑誌の電子化はまさにその通りだと思いますが、媒体としてのテレビをどう見ますか? 僕はテレビも将来的にはパーソナライズドしたコンテンツを配信していけるんじゃないかと思うんですが。

堀江:そこは厳しいんじゃないかな。テレビは大量に出稿して、新しいサービスを認知させることには優れているけれど、ターゲティングには限界がある。年収1000万円以上の男性だけに広告を打てるならいいけど、難しいでしょう。新商品を発売する企業に大量出稿してもらうのが一番いいという話になるんじゃないですか。雑誌の電子化はいまのところ大失敗ですね。既存の雑誌作りにこだわると、どんどんユーザーを無くします。これまでの雑誌の記事は、スマホだと文字数が多すぎるんです。1ページ1200文字も読んでくれるのは奇特な人ですよ。皆、見出しから興味があるものだけを読む。ビジュアルを増やし、文字は極限まで削って記事を構成することが大事なスキルになっていくと思います。雑誌の編集長が聞いたら眉をひそめそうな話だけど、元編集者としてどうですか?

山本:僕自身もそういうニュースの読み方をしますが、その一方で、ゴシップ系の話題ばかりピックアップされる状況は残念に感じています。経済情報に特化した「ニュースピックス」のように、カテゴリを絞ることで、その状況を回避できるかもしれない。もしくは、パーソナライズドを強めていくやり方でもゴシップ偏向を避けられるかもしれません。パーソナライズドは、速報性が求められるニュースでは難しいかもしれませんが。

堀江:ニュースアプリでいえば「グノシー」は、パーソナライズドできてますよ。僕のグノシーは、ちょっとすごいです(笑)。欲しいニュースがマニアックに出てくるから。僕はニュースアプリを使い分けていて、世の中のゴシップをチェックするにはもうLINE NEWSがあればいいと思う。新聞のフォーマットはもう古い。政治面、経済面、国際面、文化面、社会面というカテゴライズは、新聞というメディアが創られた当時、まだニュースが少なかったころのものでしょう。エンタメから始まるLINE NEWSのカテゴリーこそ、今のカテゴリーだと思う。ネットだけ見ていると、社会面のニュースに疎くなりますが、それを悪いことだとも思いません。だって「そんな事件の報道は少しでいいんじゃない?全国ニュースで流すようなネタ?」と思う社会面ニュースってたくさんある。そういう報道を見ると、社会面の事件報道は、担当記者たちが仕事をするために記事を書いているような気もするんですよね。

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