コラム

電通デザイントーク中継シリーズ

堀江貴文×山本憲資 最先端のサービス開発に必要な目のつけどころって?

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ロケット開発にスマホ向けアプリの開発、注目のキュレーションメディア「アンテナ」のアドバイザーなど、常に社会をリードするプロジェクトを送り出す堀江貴文氏。同じく、Eコマースサイトに革命を起こすべく「Sumally」を進化させ続ける山本憲資氏。最先端でサービス開発を行う2人のモノゴトの見方とは?
9月22日に電通ホールで行われた対談の模様をお伝えする。

2010年代のモノの百科事典「Sumally」

山本:堀江さんとは、先日「HORIEMON.COM」の対談でご一緒しました。今日はその続編です。まずは自己紹介から。僕は新卒で2年ほど電通にお世話になり、その後コンデナストの 「GQ JAPAN」の雑誌編集者を経て、「Sumally(サマリー)」というサービスを立ち上げました。Sumallyは自分の好きなモノを通じて好きな人とつながるサービスで、ユーザーからは「物欲刺激SNS」とも言われています。今の時代の“モノの百科事典”を作りたいという思いで開発しました。モノを誰が「Want」して、誰が「Have」して、誰が「Sell」しているかの情報まで含まれてこそ、2010年代の百科事典だろうと。

Sumally 山本 憲資 氏

Sumallyの登録アイテム数は160万点で、全てのアイテムについて既存顧客や潜在顧客のプロファイリングができます。僕らはこれを進化したPOSシステムと呼んでいて、ユーザーの属性と嗜好情報を提供する商品開発・販売事業に発展させたいと考えています。Sumallyのミッションの一つはコマースの仕組みの構造改革。今のEコマースは売り手が売りたいものを並べますが、アマゾンでは売れるものは全部並べて、さらにアマゾン以外の人も売ることができますよね。アマゾンは、Eコマースのルールを「list to sell」からリスト上で売買する構造に変えたんです。僕らが目指すのはその一歩先の、買い手がハッピーになるEコマース。その構造をベースに、ユーザープロファイリングやパーソナライズド、レコメンドの革新的進歩につなげたいという思いでやっています。

スマートフォンは「フォン」ではない

堀江:昨年3月に社会復帰しました。ここ7~8年継続して取り組んでいるのは、ロケットエンジンの開発です。いま小型衛星の打ち上げ需要が伸びて、民間のロケット開発も非常に盛り上がっていますが、それはスマートフォンの普及と実は関係があるんです。スマホに搭載された部品の精度が上がり、ロケットのセンサーとして使用できるようになったことで、開発コストが100分の1、1000分の1と劇的に下がった。広告系の企画でもロケットが使われるケースが出てきました。僕たちも昨年の11月11日「ポッキー&プリッツの日」に、ポッキーとプリッツカラーのロケットを、11時11分11秒に高度1111メートルに打ち上げるというキャンペーンを実施しました。大成功でした。宇宙には夢がある。今後もロケット関連のプロジェクトは続けていこうと思っています。

それから、スマートフォンに特化したアプリケーション開発。社会復帰してまず感じたのは、ものすごい勢いでスマホが普及しているということ。LINEが普及して、たった2年で完全にプレーヤーが変わっていた。僕は、LINE普及の最大のポイントは、スマホに特化した形でのサービス提供だと思うんです。パソコンベース、ウェブベースの開発をずっとしてきた人はそこに気づかなかったんじゃないかな。スマートフォンは、「フォン」じゃないんです。高性能なUNIXパソコンだと思ってほしい。しかもそれがブロードバンドに接続されている。素晴らしい環境です。これからはスマホに特化したアプリケーションじゃないとダメでしょうね。逆に言えば、もうパソコンのことは考えなくていい。スマホは世界で何十億台と出るでしょうが、パソコンはせいぜい何億台でしょう。桁が一つ違います。

堀江 貴文 氏

僕が関わった「トークライブアプリ755(ナナゴーゴー)」も盛り上がっています。サイバーエージェントとの合弁会社で作りました。この会場の人には、僕の話なんて聞かなくていいから、いますぐダウンロードして使ってほしい(笑)。簡単に言うとチャットアプリで、著名人のトークライブをのぞけて、会話もできます。いま数十万人ユーザーがいて、秋元康さんが一番人気です。幻冬舎の見城徹社長も使ってくれていて、非常に重厚な編集者トークが展開されています。ここから見城さんの著作『編集者という病い』が人気再燃して、アマゾンの在庫がなくなり、増刷が7年ぶりに決まったなんてことも起きました。

次ページ 「雑誌の電子化はどうなる? オールドメディアのこれから」に続く

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