コラム

私家版・「通販コピー塾」

ネット通販が、カタログ通販を追い越したと言うけれど…

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ネット通販での買い物は、欲しい商品が決まっている場合に、それがどこで安く買えるか?と探したり、似たような物の中から気に入ったメーカーやデザインの物を選んだりと「検索」によって絞り込んでいくパターンが主流です。最初に打ち込んだキーワードに基づいて表示される候補の中から目的に合いそうなサイトを辿るわけですが、表示結果は自分の意思とは関係なく選ばれたものだし、そもそもユーザーは「ショップ」ではなく「商品」をダイレクトに探しているので、あらためて検索(キーワードを変える場合が多い)する時には別のショップへ行ってしまうということにもなります。

このように通販におけるネットは、特定の商品を探す「ツール」として使われているのであって、ネット通販の「好調」は、ITインフラやアプリケーションの進歩に支えられたものと言えるでしょう。皮肉なことにショップ側は、ブログやツイッター、フェイスブック、LINE…と、さらに増え続けるツールの有効活用に大忙し。ユーザーの検索に対していかに有利な表示結果を得るか…その凌ぎ合いにも余念がありません。最終的に商品の情報を伝えるページの作り込みまで手が回らないといった感じでしょうか。結果、一部のECサイトを除けば「売り場」としての存在感はまだまだカタログに追いついていないと思います。

ネット通販の今後の課題は、売り場の「媒体化」だと思います。顧客をショップに導くためのSEO対策やターゲティング広告などはそれなりに有効ですが、コストがかかるし、キーワードやアクセス履歴を機械的にマッチさせたところで、行き着いた先のページに説得力がなければ購入はされません。もともと「買うため」に探された商品しか売れない…というのでは、せっかくのネット通販の伸び代も限定的と言わざるを得ません。

「媒体化」といっても、ネット上にカタログ誌面のようなページをたくさん作るといったことではありません。内容を「情報の価値」で勝負するコンテンツに変えるということです。そう、前回のコラムで触れた「バイラルメディア」や、最近話題の「ネイティブ広告」なども一種の媒体化です。ちょっと嫌味な言い方をしてしまいましたが、兆しは見えてきているんですね。検索によるアクセスの獲得に固執するばかりでなく、自らが情報を提供するサイトを備えてユーザーを立ち止まらせる、そして商品を「欲しがらせる」メディアを目指す!…本年はそのあたりから考えてみたいと思います。
 

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