共感の醸成には企業が口を出さないことが重要
——普段プランニングされる際に、共感や価値をどのように意識していますか。
北川:化粧品業界は薬事法や放送規定の関係でコミュニケーションの差別化を図るのが難しく、似た表現のコミュニケーションが多くなっています。私たちが差別化のポイントとするのは、感動価値や人の心に何かをもたらす共感性を強く入れ込むことです。
石中:私たちの業界も非常にコモディティ化していて機能面での差別化が難しいため、機能的価値をいかに感動的価値と結び付けてコミュニケーションするかという部分を重要視し、お客さまへの印象づけを行っています。
——SNSなどの取り組みもご紹介いただきましたが、お客さま同士で共感や価値を交換し合う流れについてはどのように考え、対策を取っていますか?
北川:お客さま同士の共感の醸成に関しては、「どういう場を作ってあげるか」が大事だと思っています。お客さまの共感を阻害しないようマーケターとしては特に手を出さず、共感できる価値のクローズアップは行いつつも、企業のメッセージは控えることが重要だと考えています。
石中:皆さまが共感できる普遍的な価値を提供することが重要だと思います。私たちが提供できるのは物理的な体験ができる場だけですが、「体験したお子さまの笑顔を見て、両親も笑顔になる」、というような共感できる普遍的価値を提供することで、自然とお客さま同士の口コミが広がっていくのではと思います。
——今後取り組んでみたい企画や方向性はありますか。
北川:スマートフォンを活用し、お客さまの心の中に何か落とし込む企画が出来ればと思います。感動・共感からもう一歩進んだプロモーションという部分の中のリーチをどのようにとっていくかという部分に注力したいと思っています。
石中:感動に国境はないと考えており、色々な国で起こった感動を日本のお客様にも提供したいと考えています。ハードとかソフトウェアだけが海外から入ってくるのではなく、ソフトな体験・経験も海外から取り込んでいく姿勢も大事だと思っています。
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