【前回記事】志伯健太郎×古田秘馬×戸田宏一郎「新規事業開発に街づくり、上流からアウトプットまで全部手掛ける人のやり方って?」はこちら
2005年から電通が開催してきたトークイベント「電通デザイントーク」の書籍化第2弾(『電通デザイントーク Vol.2』朝日新聞出版刊)を記念し、2014年12月17日、書籍内に登場するAR三兄弟の川田十夢氏、ライゾマティクスの齋藤精一氏、電通の澤本嘉光氏の3人が電通ホールに集まった。技術開発者としてユニークな発想をアウトプットし続ける川田氏、空間とテクノロジーを掛け合わせて様々な体験プロジェクトを手掛ける齋藤氏、広告クリエーティブのトップランナー澤本氏が互いに触発し合い、広告コミュニケーションの拡張方法が話し合われた。
僕たちが拡張しているもの
澤本:
今日のキーワードは「拡張」です。齋藤さんと川田さんは、いろんなことを拡張されていますよね。
齋藤:
ライゾマティクスは、アートとコマーシャル(クライアントワーク)の2つの軸をループさせていくビジネスモデルです。基本的にはエンターテインメントに特化していますが、以前から大学との共同研究や企業との商品開発もしています。最近では、R&Dの過程自体を広告として出していくプロジェクトが実現しました。JINSの新しいアイウェア「JINS MEME」の開発で、東北大学の川島隆太教授やデバイスの専門チームと進めたものです。
ライゾマではアイウェア自体の開発からコミュニケーションまで携わっていて、「ビジネス領域の拡張」と捉えています。また、カーボン素材の最高の技術を持っているBtoB展開を基本とした会社seven dreamersにBtoC事業を提案して、カーボン製のゴルフシャフトを一緒につくっています。CMもつくりましたが、広告予算がある会社ではないので、最終的なギャラはロイヤリティでもらっており、クライアントと一緒の船に乗ってビジネス展開していく形を取っています。これは、「ビジネスモデルの拡張」ですね。
