安全神話崩壊 日本人が初めてテロのターゲットに
この1カ月で、日本に大きな影響を及ぼす2つのニュースが確認された。一つは、大きな衝撃と悲しみを伴った日本人2人のイスラム国拉致・拘束・殺害という事実であり、もう一つは、イスラム国などのスンニ派の武装組織に参加した外国人戦闘員が2万人を超えたというロンドン大学研究センターの発表である。
安倍政権の人道支援の結果が、皮肉にもシリアやイラクで展開する武装勢力やイスラム国の日本人に対するテロや不当勾留、拉致・拘束などのリスクを増大させてしまった。人道支援そのものやテロへの断固たる対応は、世界の先進国の一つとして発信すべき正道であるが、無差別攻撃をいとわないテロリスト達からは、日本の外交政策などの積極的発表が、彼らの意に添わないものと認識させてしまったのも事実である。
安全保障政策で大きな転換を迎えようとする安倍政権にとって、今年は「集団的自衛権」の関連法が国会で審議・具体化され、その運用初年度と位置づけられているだけに、国民ひとり一人の生命・身体に関わるリスクの増大に改めて身が引き締まる思いであったろう。
一方、ロンドン大学研究センターによれば、イスラム国などの武装組織への外国人の流入は昨年下半期から急劇に増え続け、近隣の中東諸国からは1万人以上、欧米諸国からも4000人近くが確認されているとしている。また、2万人という数字に東南アジアからの流入は含まれておらず、実数はさらに増えるものと結論づけている。
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白井 邦芳(危機管理コンサルタント/社会情報大学院大学 教授)
白井 邦芳(危機管理コンサルタント/社会情報大学院大学 教授)
ゼウス・コンサルティング代表取締役社長(現職)。1981年、早稲田大学教育学部を卒業後、AIU保険会社に入社。数度の米国研修・滞在を経て、企業不祥事、役員訴訟、異物混入、情報漏えい、テロ等の危機管理コンサルティング、災害対策、事業継続支援に多数関わる。2003年AIGリスクコンサルティング首席コンサルタント、2008年AIGコーポレートソリューションズ常務執行役員。AIGグループのBCPオフィサー及びRapid Response Team(緊急事態対応チーム)の危機管理担当役員を経て現在に至る。これまでに手がけた事例は2700件以上にのぼる。文部科学省 独立行政法人科学技術振興機構 「安全安心」研究開発領域追跡評価委員(社会心理学及びリスクマネジメント分野主査:2011年)。事業構想大学院大学客員教授(2017年-2018年)。日本広報学会会員、一般社団法人GBL研究所会員、日本法科学技術学会会員、経営戦略研究所講師。
白井 邦芳(危機管理コンサルタント/社会情報大学院大学 教授)
ゼウス・コンサルティング代表取締役社長(現職)。1981年、早稲田大学教育学部を卒業後、AIU保険会社に入社。数度の米国研修・滞在を経て、企業不祥事、役員訴訟、異物混入、情報漏えい、テロ等の危機管理コンサルティング、災害対策、事業継続支援に多数関わる。2003年AIGリスクコンサルティング首席コンサルタント、2008年AIGコーポレートソリューションズ常務執行役員。AIGグループのBCPオフィサー及びRapid Response Team(緊急事態対応チーム)の危機管理担当役員を経て現在に至る。これまでに手がけた事例は2700件以上にのぼる。文部科学省 独立行政法人科学技術振興機構 「安全安心」研究開発領域追跡評価委員(社会心理学及びリスクマネジメント分野主査:2011年)。事業構想大学院大学客員教授(2017年-2018年)。日本広報学会会員、一般社団法人GBL研究所会員、日本法科学技術学会会員、経営戦略研究所講師。
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