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コラム

ビデオコミュニケーションの21世紀〜テレビとネットは交錯せよ!〜

ローカルテレビ局はどう生き残るのか?地元に密着する岡山放送に新しいカタチを見た

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このイオン、普通のイオンとちょっと、いやずいぶん違います。何しろ、郊外型と言われてきたのに、駅前という立地がまず大きく違う。それに中に入ると、漂うムードがイオンっぽくありません。なんというか、あの「デフレ時代感」がない。そもそもイオンなのに入口に近いところに高島屋が食品売場を展開している。すぐそばに高島屋そのものがあるのに、どういうことでしょう。入っているテナントも他のイオンでは見たことないこ洒落たお店が並んでいてそそられる。安っぽさがない。でも高い!というわけでもない。だからでしょうか。ヤンキーがいない!ヤンキーには失礼ですが、客層がいい!月曜日の午後だったのに、品のいいお客さんがかなり来ていました。

素敵なムードを漂わせる数々のお店に誘惑されながら1階中央にたどり着くと、吹き抜けの巨大な空間が見えてきました。これです、ここを見に来たのです!

吹き抜けの3階部分には、巨大なモニターが。300インチのテレビで、二人のキャスターが何やらおしゃべりする番組が流れています。そして一階部分にはブースがあるようです。「haremachi Studio」という文字が掲げられている。このブースに寄っていくと・・・なるほど、映像を撮るスタジオです。左側にはモニターに映っている二人がいて、手前にはカメラマン二人。右側は調整室風にスタッフが機材を見ながら作業している。

このharemachi TVはイオン岡山の情報を送りだす小規模な放送なのです。その場でしゃべった内容が館内に送り届けられる。この大型ビジョンをはじめ52台のモニターに同時に配信されています。スタジオのトークだけでなく、各お店を回って収録した映像も使われます。館内のお店の店員さんが自分たちの商品の良さを語ってくれる。へー、それ買おうかなと思ったら、すぐにそのお店に行けばいい。買い物を楽しみに来た人には最適な情報です。

この放送には、CMも入ります。イオンに来る大勢の人びとに届くデジタルサイネージとして、多様な企業が広告を流しています。お店で扱っている商品や、岡山に来た旅行客に観光スポットが告知できれば、非常に効果の高い広告媒体だと言えるでしょう。

そしてなんと、この放送はネット配信されています。YouTubeLiveを使っているので、AdverTimes上でもライブで視聴できるはず。

再生ボタンを押してみてください。あなたが見ている映像は、いまこの瞬間にイオン岡山の館内で流れているのとまったく同じものなのです!

そして、ここからがポイントなのですが、このharemachi TVは、イオンと岡山放送の共同事業なのです。岡山放送とは、OHKのイニシャルで岡山県民にはおなじみの地上波テレビ局。フジテレビをキー局とするローカル局が、ショッピングセンターの館内放送に携わっている。この時点でびっくりです。

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