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MWC 2015、SENSORS IGNITION2015から見えてきたIoTとSoTの関係

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規格に強い欧州勢、韓国は2018年に5Gオリンピックを目指し、日本もTokyo 2020の5G化を準備

いまさら説明するまでもないかもしれないが、モバイル通信の運営や整備は各国のキャリアが行う事業である。一方、Facebookなどに見られるように今やサービスは世界的な規模で展開されている。今後世界中で5Gのような品質とスピードの通信が普及するためには各国が通信の規格などを統一する必要があるが、これはなかなか容易ではないのはご想像の通り。しかしこの取り組みは特に欧州統合(EU)の取り組みを進めてきたヨーロッパが先行していると筆者は考えており、実際に各国のキャリアからはそのような発言が多かった。上記はキャリア(TELCO)と通信規格の整備(Regulation)はマーケットの現状を見なければいけないというスライドであるが、今後も規格面では経済圏内の統一必然性が強いヨーロッパ勢がリードしてゆく構図が見られそうだ。

一方で、高速通信の整備はアジアでのオリンピックを契機に飛躍的に発展しそうだ。上記の2つのスライドはKorea Telecom(KT)の黄昌圭(ファン・チャンギュ)会長が行ったプレゼンテーションより抜粋したものであるが、2018年の平昌(ピョンチャン)オリンピックでは韓国は5G体験を提供すると約束したのである。また、「無人自動車が周辺環境を把握して判断するには1秒当たり1ギガバイトの情報を処理できなくてはならない」として自動車の自動運転を始めとするIoT (Internet of Things)化に関しては5Gのインフラが不可欠とした。さらに現地時間の3月1日にはNTTドコモ、中国チャイナモバイルと韓国KTが5G技術開発協力推進に合意したと発表しており、2020年の東京オリンピックに向けて5Gのインフラやサービスがアジアを中心に発達してくるのではないかと期待が高まる。

日産のゴーン氏も発表 会場の随所に展示されていたコンセプトカー

先のKT黄会長が述べたように、次世代の自動車に通信技術の進歩は不可欠であり、業界を代表する形で日産自動車のカルロス・ゴーン社長が登壇した。(下の写真)

ゴーン社長は通信技術の発展により数年後に渋滞時の運転や高速運転、その後に車線変更、その他の複雑な運転ができるようになるという見方を示して、通信業界に大きな期待を寄せた。また、インタビュアーからの質問で「アップルの電気自動車参入」に関しては「電気自動車の認知向上につながる」として歓迎する意向を示した。この話を裏付けるように各社キャリアのブースには随所に自動車が展示されていた。この業界も通信技術の向上とインターネット接続によって様変わりする可能性を示すものとなったと言えるのではなかろうか。

展示会場の随所に配置している次世代コンセプト自動車

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