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コラム

ビデオコミュニケーションの21世紀〜テレビとネットは交錯せよ!〜

テレビがウェブになり、ウェブがテレビになる。そこに新しい広告の可能性が見えてくる。

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前回紹介した、「TBSぶぶたす」は、そんな可能性を示すひとつの例です。番組の中で出てくる情報のもっと詳しいWEBサイトへ誘導するアプリ。これを応用して、テレビCMと同期させたタグをアプリ上で表示することで、CM連動の仕組みを実現しています。実際に広告枠としてのセールスもはじめているそうです。

これに非常に近い仕組みが、SyncCastというアプリです。こちらは、マルチスクリーン型放送研究会という、関西キー局を中心にローカル局50社以上が共同で取り組んでいる団体が開発したもの。まだ実験を繰り返している段階ですが、やはり番組内容と連動した情報をアプリ上で表示し、CMと同期させて連動広告の仕組みを実現しようとしています。

これらと近い仕組みは、海外ではすでに稼働しているサービスがあります。Beamlyというもともとイギリスで誕生したサービスで、いまはアメリカやオーストラリアにも進出しています。

前はZeeboxという名称だったのですが、ちょっとギークっぽいのでBeamlyに変更したそうです。このサービスは、テレビを見ながらスマホやタブレットを使う、セカンドスクリーンの先駆的なもので、番組を選ぶのに役立つ上、番組を見ながら他の視聴者とコミュニケーションできます。同時に、別のウィンドウでは番組内容に関連した情報が表示されます。タップすると、詳しい譲歩が別ウィンドウで出てくるのです。

TBSぶぶたすやSyncCastの機能と、テレビを見ながらtwitterすることを、同じサービス上で実現しています。アプリは日本でダウンロードできないのですが、Webでのサービスは日本でも制限はないので、いじってみてください。

Beamlyのサイト

筆者は、このサービスを開発したAnthony Rose氏をセミナーイベントに招聘したことがあります。その時にデモンストレーションを見せてもらったのですが、テレビ視聴中にクルマのCMが流れたら同期させてそのクルマのバナーが降りてきて、タップすると近くの販売店リストが出てくる様子がよくわかりました。彼らはテレビ局と提携してビジネスをしていて、Beamlyとの連動バナーでテレビ局が広告費をさらに得ることができるのだと話していました。もちろん、彼らにはレベニューシェアが入ってきます。

この連動バナーでいくら入るのかと聞いたら「3 million dollars」と、こともなげに言ってました。300万ドル?・・・てことは3億円?!それが一回なのか、月単位なのかまで詳しく聞きませんでしたし、デモで見たのは超人気番組なので特別なのかもしれませんが、とにかくテレビCMとセカンドスクリーンの連動で億単位のお金を彼らはテレビ局と一緒に手にしているのだとわかりました。

WEBサービスやアプリを使うやり方とは別に、視聴者が普通にWebブラウズをしている時にCMと連動させてバナーを表示させることもできます。アメリカではSAMBA TVという会社がそれを実現しています。

SAMBA TVのサイト

アドネットワークのバイイングで連動を可能にしています。ただし、そのためにはACRが必要です。ACRとはAutomatic Contents Recognitionの略で、つまり“自動コンテンツ認識”ですね。いまテレビでこの番組をやっている、この商品のCMが流れてる、ということをスマートフォンが認識できる仕組みです。これを日本で可能にするには、乗り越えるハードルが多々あるので、さあ明日からはじめましょう、というわけにはいきません。でも彼らも、アメリカでは“ミリオンダラーズ”なビジネスとなっているようです。

次ページ 「テレビ局はネット上でも巨大メディアになれる?」へ続く