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コラム

ビデオコミュニケーションの21世紀〜テレビとネットは交錯せよ!〜

テレビがウェブになり、ウェブがテレビになる。そこに新しい広告の可能性が見えてくる。

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テレビ局はネット上でも巨大メディアになれる?

さてここまでは、テレビ放送と連動した広告の仕組みです。番組が放送されている時に、セカンドスクリーンとしてのスマートフォンやタブレットにCMと同じスポンサーの広告を表示させる考え方ですね。

テレビとネットをセットでとらえる。そのやり方はもっともっと拡張できるはずです。そのポイントは、放送されている時間だけじゃなく、という考え方です。

先週発表になりましたが、ついに今年秋、民放在京キー局が見逃し視聴の共通の場を試験的にスタートさせるそうです。そして、そこに広告を載せる。

見逃し視聴については、日本テレビ、TBS、フジテレビがすでに個別に着手しています。それとは別に共通のポータル的なサイトを持とう、ということですね。昨日のあの番組、録画し損ねたけど、あそこへ行けばネットで見られるはずだ、そんな場を作ろうという考え方。

そこには、テレビ番組の広告的な価値を、放送とは別に拡張しようという意志があります。

番組の価値を拡張するなら、テレビ局のWebサイトはどうでしょう?

現状、テレビ局のWebサイトは「番組の予告」の場です。全体としてもそうですし、個別の番組のサイトに行っても、来週の内容の告知ばかりで埋め尽くされています。来週はどんな番組なのかな、と知りたくて来る人にはいいわけでしょうけど、それだけなんです。

よく言われることですが、ネット上の話題はかなりの割合でテレビが発信源です。良きにつけ悪しきにつけ、テレビ番組で扱われた話題が、GoogleやYahoo!の検索ランキングの上位になり、Twitterのトレンドワードに登場します。テレビのことをネットでも気にしているし、テレビ局のコンテンツは多くの人が強く興味を持つ対象なのです。

そこには、もっと何か工夫ができるはずです。Webサイトへの流入をもっと増やす工夫、そして収入をもっと増やす工夫もできるでしょう。

番組のサイトに来てくれる人は、何らかその番組に興味があったり、ひょっとしたらファンなのかもしれません。そこに予告以上のコンテンツがあれば見てくれるのではないでしょうか。放送では見せられなかった映像や、収録後の出演者の様子など、ファンであれば見たいでしょう。

そうすることで滞在時間を増やせば、バナー広告からの収入も増やせるかもしれない。でもそれだけでなく、「広告としてのコンテンツ」も企画できる可能性がある。テレビ放送は番組と広告を明確に区別する必要がありますが、ネットにはありません。番組というコンテンツをネットだけで商品や企業のイメージに沿った形で制作する。いまよく話題に上るネイティブ広告的な仕組みを、テレビ番組を利用して展開できるかもしれません。

もちろん、番組を大事にしているファンほど、下手なやり方をするとがっかりするでしょう。でも番組と企業がマッチしていれば無理なく、制作できそうです。

とにかく、テレビ局がWebサイトを通じてできることは、限りなく考えられそうです。それは、テレビ局にとって番組こそが資産であり、その価値は、放送のタガを外してネット上で多様に展開させれば広がっていく、ということ。テレビ局と、広告業界と、ネット界が頭を寄せて考えればいろんな手法が見えてきそうです。

こうした考え方は、これからどんどん形になっていきそうです。おそらく今年、こんなやり方もあるのか、という具体例が出てくると思いますよ。