【PR企画】
デジタルコミュニケーションにおいてマーケターの“WILL(志)”を実現するために必要なこと
講演者
- ボルボ・カー・ジャパン マーケティングディレクター 関口 憲義 氏
- 味の素ゼネラルフーヅ 家庭用事業部 家庭用第一部 stickグループ統轄マネージャー
三宮 智昭 氏
——デジタル上でコミュニケーションを図る際、どのようなことを考えられていますか。
関口:ボルボというブランドは、現時点ではまだ「プレミアムニッチ」な領域です。特に「プレミアム」を標榜しているので、イノベーティブなイメージは非常に重要であり、デジタル領域での施策を重視しています。ただ、一言で“デジタル領域”と言えど、それがメディアのことなのか、デジタルに特化・最適化したクリエイティブのことなのか、ビッグデータを活用したマーケティング手法なのかを切り分けて考えるべきだと感じています。
三宮:当社のIMC(統合型のマーケティング・コミュニケーション)のプランでは、縦軸に施策の確実性(確実なヒットを狙うのか、空振りしても良いからホームランを狙うのか)、横軸に施策の継続性(短期的な売上目的のキャンペーンか長期的なブランディングに寄与するものか)という4象限に分けた図式にしており、その上でデジタルをどのように位置づけるかを考えています。私が手がける施策で多いのは、全体予算の一部を使い、空振りでも良いからホームランを狙っていこうという戦略です。「トリプレッソ」というブランドで実施した「松崎しげるを探せ!」というキャンペーンは、ただゲームを楽しんでもらうだけではなく、テレビやWebなどのメディアにいかに取り上げてもらうか、ということを軸に企画しました。
関口:三宮さんの4象限の整理に強く共感します。世の中では、いわば「ホームラン」の例はたくさん語られていますが、実際は失敗した事例がそれ以上に多くあるはずです。デジタルの施策はミルフィーユのようなもので、一番上の皮だけを食べてもお腹一杯にはなりません。層が重なってはじめてカロリーになるのと同じで、日々の施策を積み重ねていくことが成功につながるのではと考えています。当社がエイプリルフールに1日限定で公開した「歩きスマホはやめましょう!」のWeb動画は、メディアがネタを探しているエイプリルフールのタイミングを見計らった施策で、狙い通りヤフーのトップページで話題になり、1日で18万回再生されましたが、これは狙ったらたまたま打てたホームランだと思っています。
三宮:AGFはブランディングを志向している会社なので、ブランドで差別化を目指すのが基本的なマーケティング戦略です。そのためには広く認知をしてもらい、そこからどうロイヤリティーを高めていくかということを考えています。認知を高めるためには、テレビを中心としたマスメディアの方が効果的であり、一方でデジタルではロイヤリティーの高い人との関係を深めていく方が向いているのではないかと感じています。ただし、ロイヤリティーというのは、製品を介することでしか形成されません。
——今後、どのような施策に注力していきたいと考えていますか。
関口:新しいアイデアやテクノロジーは常に取り込んでいきたいと考えています。プレミアムカーの購入頻度は数年に一度です。そのため、CRMといってもデジタルの中だけで完結させてしまうのではなく、「体験」の部分、すなわち、リアルやアナログ的な部分との接点を非常に重視しています。
三宮:デジタルの領域では、モノが動くまでのロジックがAIDMAからAISASやSIPSと変化していますが、スーパーマーケットの店頭で買ってもらうために重要なのは、結局AIDMAだったりします。今の時代、どのようなモデルであればモノが動くのかというロジックを踏まえた提案をパートナー企業には期待しています。
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