【その4】敵をつくらない
長谷川:企業に勤めて幸せな働き方をしている人も大勢いると思いますが、独立して幸せになれる人ってどんな人なんでしょう?
はあちゅう:敵をつくらない人でしょうか。会社を嫌になってやめるのではなく、会社に感謝しながらやめていくことができる人。独立して、たとえ仕事は変わっても、人生は続いているので、どこかでまた前の職場の人とつながって、助けてもらえるかもしれません。まぁ、長谷川さんはキャラが確立しているので、敵をつくる心配はないと思いますが。
長谷川:ぼくは今、カヤックの同僚や元カヤックの方たちに、起業の準備を手伝ってもらっているんですよ。Webサイトや会社の登記を手伝ってもらったりとか。カヤックはけっこう、辞めた人でも会社といい関係を築いている人が多いような気がします。「敵をつくらない」ってすごく大事ですね。でも、ぼくはたまにわざと敵をつくろうとしてしまうことがあるので、本当に気をつけます。
【その5】「何歳までにこれをする」と決めない
長谷川:最後に質問です。これから、はあちゅうさんはどうなっていくんでしょう?
はあちゅう:今、自分の体験を自分の言葉で書く仕事がとても楽しいんです。ありがたいことに、朝日新聞で、単発ですが、小説を掲載していただいたり、歌手の川嶋あいさんのCDブックに小説を入れてもらったりと、エッセイや小説、コラムの仕事をいただいています。それとは別に、長編小説も書き始めました。以前は、30歳になるまでに小説を書くと言っていたけれど、最近「何歳までにこれしよう」と決めないようにしました。「これをここまでにやる」ということに縛られてしまうと、自由度が少なくなってしまうと気づいたからです。『スッキリ!!』のコメンテーターも、たまたま声をかけてもらってその1カ月後にはもうテレビに出ていた、という感じだったんですね。そういう降って湧いたものを受け取る余裕を常に持っていたいんです。それによって、求められる場所がつくられて、また新しいやりたいことが出てくるかもしれないので。
長谷川:あー、いいですねぇ。カヤックの代表の柳澤大輔は、よく「『何をするか』ではなく『何をしないのか』を決めないといけない」と言うんですね。はあちゅうさんの話を聞いて「何をしないのか」決めるのはとても大事なんだなと思いました。今日はどうもありがとうございました。
最後に記念写真。はあちゅうさんの書籍『半径5メートルの野望』は現在発売中。アドタイで連載した『PRガール』をまとめた電子書籍も発売中。
長谷川さんに加え、藤本宗将さん(電通)・眞鍋海里さん(BBDO J WEST)の3名を講師として、媒体、コンテンツを問わず機能し、拡散していくクリエイティブの在り方について学び、今の時代に「コピーライター」として生き残る術を考える「コピーライター養成講座拡散コース」を開講します。
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「長谷川、カヤックやめるってよ。」バックナンバー
- 「器用だけど突き抜けた何かがない人」が独立するには (かっぴー)(2016/5/09)
- 自由なサラリーマン、不自由な自営業 (仲山進也)(2016/4/12)
- 10代で起業して良かったことは、特にない (ハヤカワ五味さん)(2016/4/01)
- 【第8回】職種や表現を横断する生き方(ネゴシックス&田中光)(2016/2/16)
- 見えない10億の仕事より、自分の手から100円のものを売りたい。(牧野圭太さん)(2016/2/05)
- 糸井重里さんに聞いた“広告の世界から抜けだす方法”(2015/12/28)
- フォロワーより、好きになってくれる人を増やそう。(森もり子・とおるくん)(2015/10/30)
- 広告夫婦が思う「独立して幸せになる人」とは?(福里真一さん・三井明子さん)(2015/10/15)
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