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描けない絵を描いて克服したこと
なんにもできないアホな私は、絵もヘタです。人間を描こうとすると、まじめに描いているのに、なぜか顔あたりの空中から手が生えます。イラストやラフを書いて説明をすると「絵のせいでわかりづらくなった」と言われるくらい、壊滅的に絵がヘタです。
小学校の卒業式のとき、図工の先生から「初めて君の絵を見たときは、この子は一体どうなってしまうんだろうと思っていたけど、最後にまともな絵を描けるようになって、安心したよ」と言われました。それもそのはず。実は、先生が褒めた絵は、祖母が描いたものをなぞっただけだったからです。本当は、絵だけじゃありません。作文も工作も、私が学校に提出していたものは全て、私のダメさに呆れた祖母が代わりに手がけた作品でした。
そんなズルをして絵から逃げていた私に対して、編集・ライター養成講座の渡邉先生の講義では誌面ラフの課題、名古屋で通ったコピーライター養成講座の小島先生の講義ではCMの絵コンテの課題が出されてしまいました。そこで私は、両方ともなぜか金の鉛筆をいただいてしまうのです。コピーライター養成講座では順位が付くので、優秀者の中で最下位という、いかにも私らしい評価のされ方でした。しかも、全員の前で、自分のとんでもない抽象画がさらされてしまう羽目に!それはもうショックで泣きたくて、2回とも、「家に帰ったら身辺整理をして首を吊ろう」と思ったくらい恥ずかしかったです。
