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コラム

宣伝会議賞の受賞者っぽくない 妙な二人の追憶コラム

宣伝会議賞は、受賞する「前」よりも、受賞した「後」のほうが大切

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グランプリ受賞作品は提出するか最後まで迷った

肝心のグランプリ受賞作品「人生の半分は無職です。」については、提出するかどうか最後の最後まで迷いました。このコピーが読み手にどう響くかの判断に自信が持てなかったのです。

というのも、ネガティブにも見えるじゃないですか。実際、受賞後に「あんなネガティブな表現がグランプリって…」といった風評を耳にすることもありました。で、とある審査員の方に「このコピーってやっぱりネガティブですよねえ」とカマをかけて聞いてみると、「ぜんぜんネガティブじゃないよ」と力強く言われることに。

実はわたしとしても、まったくネガティブだとは考えておらず、どちらかというと肩の力を抜いて前を向けるように意識したコピーなのでした。詳しくはこちらの記事でグランプリ受賞作品が生まれるまでの思考過程の一部を公開していますのでぜひ読んでみてください。

決め手は、コトバに興味のない奥さんの反応

以前のコラム「自分のことは自分が一番よく知っているという過信を捨てる」でも書きましたが、グランプリ受賞作品のコピー案については結局、コトバにまったく興味のない奥さんに見せることにしました。

たしか、そのときは山手線に乗っていて、日暮里駅に到着するあたりで彼女にさりげなく見せた記憶があります。で、その瞬間、彼女が「これはいいね! これなら100万円、獲れるよ!」と、両目を珍しく「¥」マークに輝かせたんですね。

結果、そのまま応募することになりまして、グランプリを本当に受賞することができました。

さいごに

駆け足で書いてきましたが、これで連載はおしまいです。いやあ、ほんとにペースを見誤りました。書きたいことはもっともっとあったのですが。

社会人として、メールってちゃんと隅々まで読まないとダメなんでしょうね。どうもメールって苦手でして。かといって手紙なんてもっと読まないし、電話やチャットやメッセンジャーだと自分の時間に土足で踏みこまれたような気がして嫌だし、口頭で言いに来られても人見知りなので逃げちゃうし、伝書鳩なんて飛ばされてもエサとか困るし。いったい、どうしたらいいんでしょうね。こんな風に記事を書くことでしか、うまいことコミュニケーションができないような気もしてきました。

とりあえず、最後にお伝えしておきたいのは、宣伝会議賞って受賞する「前」よりも、受賞した「後」のほうが大切なんじゃないかと思っています。「そんなこと、この連載の最後に言うなよ」って怒られるかもしれませんが。実際、わたし自身も宣伝会議賞の「後」に学んだことのほうが圧倒的に多いです。あまり公言したくないような、だらしのない失敗もありましたし。

そこらへんについては、もしニーズがあればTwitter(@tanabe101)やメール(tanabehyakuichi@gmail.com)でご連絡ください。「32歳・遅すぎる新人コピーライターの3年後に読み返したらきっと青ざめるだろう赤裸々日記」などといったタイトルで書きますので。

ただ、今回の連載のやりとりでわたしの人間性にうんざりしてしまっただろうアドタイさんで書くことはもう許されないかもしれません! そのときはLIGブログのほうで書きますので、わたしのページをこっそりのぞきにきてくださいね。それでは。

【田辺さん:最終コピー本数20本】

【次回の追憶!】
合田さんの10月14日~10月下旬。

「システムが進歩したけど、僕は進歩してるのか」
「諦めたらお終い」
「99%は努力」

次回の公開は10月26日(月)。合田さん、ラストスパートです。

前回の追憶はこちら
宣伝会議賞の詳細はこちら