阪神・淡路大震災のときのこと。

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走りながら考え、考えながら走った5日間。

2011年3月11日、東日本大震災により多くの方々の大切な命や財産が奪われました。そして関西地方も1995年1月17日、大きな地震に襲われました。阪神・淡路大震災です。あのときのことを最終回に書かせていただきます。

今から約20年前のあの日、一瞬にして多くの人が亡くなり、家を失い、高速道路が倒れ、電気や水やガスなどのライフラインも途絶えました。僕も被災者の一人です。

企業のテレビCMも自粛され、そのかわりとしてACのCMが流れました。水が出ない、缶ジュースが買えないという状況の中で、「水をきれいにしましょう」や「空き缶ポイ捨て禁止」という内容のCMが大量にオンエアされたのです。

テレビ局には、たくさんのクレームがきました。でも、企業は平時のようなCMをオンエアするわけにはいかず、テレビ局としてもACのCMを流すしかないという状況が続きました。

そういう状況の中、一部の電車が動きはじめたので僕は出社しましたが、出社したとたんに当時のクリエーティブ局長だった堀井さんに呼ばれました。

「現在流れているACのCMは、今の状況にそぐわない。被災者の方々を励ますようなCMをなんとしてもつくって、すぐにオンエアしたいと支社長が言っている。自分もそう思う。とにかく一刻をあらそう。今、この場で、このメンバーで考えたい」

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山本 良二(電通関西支社CRプランニング局 局長)
山本 良二(電通関西支社CRプランニング局 局長)

1958年福岡県生まれ。1980年㈱電通入社。関西支社クリエーティブ局にてコピーライター/CMプランナーとして勤務。現在、関西支社CRプランニング局 局長。TCC新人賞、TCC部門賞、OCC新人賞、OCCクラブ賞、ACC郵政大臣賞、ACCゴールド・シルバー、ACC最優秀地域テレビCM賞、読売広告大賞最優秀賞、朝日広告賞部門賞、フジサンケイ広告大賞、毎日広告デザイン賞部門賞、広告電通賞、サントリー奨励賞、ニューヨークADC賞など、受賞多数。

山本 良二(電通関西支社CRプランニング局 局長)

1958年福岡県生まれ。1980年㈱電通入社。関西支社クリエーティブ局にてコピーライター/CMプランナーとして勤務。現在、関西支社CRプランニング局 局長。TCC新人賞、TCC部門賞、OCC新人賞、OCCクラブ賞、ACC郵政大臣賞、ACCゴールド・シルバー、ACC最優秀地域テレビCM賞、読売広告大賞最優秀賞、朝日広告賞部門賞、フジサンケイ広告大賞、毎日広告デザイン賞部門賞、広告電通賞、サントリー奨励賞、ニューヨークADC賞など、受賞多数。

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