企業の存在意義を打ち出すマーケティングも重要
——消費者の嗜好性やライフスタイルが多様化する中で、広告コミュニケーションの企画や実践もこれまで以上に難しくなっています。土橋:
商品について興味を持っていただく以前に、企業に興味を持っていただく必要性が高まっていると感じます。商品の良さを伝えるだけでなく、企業姿勢に共感していただく。企業自体が信頼できるのか、共感できるのかという軸は東日本大震災以降、強まっている傾向だと感じています。そこで必要なのは、どんな思いを持って商品を開発し、世の中に送り出しているのかを伝えること。当社では、現在、モータースポーツ活動がクルマづくりの進化、自動車産業の発展に不可欠であるという創業者の思いを受け継ぎ、もっといいクルマを開発しようと、すべての開発・製造工程を基礎から変える試みを行っています。同時に、試乗会やレーシングカーの同乗体験などのリアルなイベントを実施し、クルマを好きになってもらうための取り組みも行っています。トヨタとして、新しいカーライフも提案していきたいですね。