なぜあの会社のマーケティングオートメーションは成果を上げられるのか?導入における成功の鍵を探る

「マーケティングオートメーション」に注目が集まり、日本国内でもツールを導入する企業が増えている。ただ、導入から運用までスムーズに行えている企業は少ない。なぜマーケティングオートメーションの導入が上手くいかないのか、そして成果を出すためのポイントはどこにあるのか。2015年11月30日に10億円という大型の資金調達を実施したことでも話題を集める、次世代のマーケティングオートメーション「B→Dash(ビーダッシュ)」を提供するフロムスクラッチに、先回に続き話を聞いた。
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フロムスクラッチ 執行役員 武田卓哉 氏
日本HP、PwC Japanを経てフロムスクラッチに入社。現在は同社のコンサルティングユニットを統括し、マーケティングオートメーションの導入設計、セールス業務改革、マーケティングプロセス構築等に従事。

導入における課題は「営業」ナレッジのなさにあり

——前回の記事よりも、さらに踏み込んで「マーケティングオートメーション」について聞いていきたいと思います。武田さんは、日本でマーケティングオートメーションの導入がうまくいかないケースが多い理由は、どこにあると考えていますか?

「営業」のことを深く知る人間が、導入に携われていないところにあると考えています。そもそも、マーケティング部門と営業部門の間に、意識の違いが存在します。マーケティングオートメーションの目下の目的は、マーケティング部門から営業部門に受注の可能性が高い「ホットリード」を渡すことにあります。

マーケティング-営業領域でみられる“よくある課題”

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課題①:見込み客がなかなか集まらない
課題②:見込み客が効率的に育たない
課題③:マーケティング部隊と営業部隊の意見が合わず、ホットリードの定義が明確化されない
課題④:セールス部隊がなかなか案件を受注できない
課題⑤:アップセル/クロスセルがうまくいかず、ロイヤルカスタマー化しない
課題⑥:各フェーズごとに発生する失注案件が管理できない
課題⑦:どの手法が最も投資対効果の高い施策なのか、ビジネスバリューの計測・効果測定ができない

この図は、マーケティング-営業領域でみられる“よくある課題”を表しています。マーケティングオートメーション導入において、特に顕著な課題として浮き彫りになるのが「課題③」と「課題⑥」です。

まず課題③についてです。通常、「マーケティング領域」でリードの獲得(ジェネレーション)から育成(ナーチャリング)までを行い、「営業領域」でそのリードを案件化させ受注に結びつけていくのが一般的な流れです。

しかし、このシナリオをマーケティング側の視点だけで設計していまい、営業側から見たときにリードが「ホットリード」ではないケースがよく見受けられます。その結果、営業側からは「受注の可能性が高いリードが来ない」、マーケティング側からは「リードを渡しても営業が動かない」といった不満が溜まっていくのです。

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