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海外で暮らしていると、離れて暮らす家族の大切さが身にしみます。子供が風邪をひいたって手伝いを気軽に頼める両親はいないし、時差もあってなかなか連絡もとりづらい。ただでさえ大変な異国での生活ですぐそばに頼れる身内がいないというのはなかなか辛いものです。
では、久しぶりに日本へ里帰りをした話をご紹介しました。出張と帰省を兼ねた旅行でしたが、実はこの里帰りで果たさなくてはいけない、すごく個人的でとても大事な目的がありました。今回はそのエピソードをご紹介します。
僕の奥さんの実家は長崎です。長崎といっても長崎市内から車で2時間、島原半島の一番先端にある人口六千人のほどの小さな漁港町です。近所のスーパーでは地元の漁港で取れた新鮮な魚が安価で手に入り、しかも本当においしい。サンフランシスコでは七切れほどのハマチの盛り合わせを頼めば15ドルは取られますが、ここでは生簀のハマチを一匹まるまる刺身(+カマ付き)にしてもらっても、たった1500円です。社会人のほとんどをアメリカで過ごした僕にとって、新鮮なハマチの刺身って「コリコリ」している食べ物なんだと長崎に来てはじめて知りました。(東京の皆さん、築地の魚もいいですが、やはり現地で食べる魚は格別ですよ!)都内の高層マンションが実家の僕にとって、それとは真逆の田舎への帰省は、いつからかとても楽しみなイベントになりました。
