クルマのパーツが二次元“萌え”キャラに—トヨタが仕掛けた「クルマ離れ」への一手

ターゲットはデジタルネイティブ層

トヨタ自動車は、2015年12月に発売したハイブリッド車・新型プリウスのプロモーションを目的としたプロジェクト「PRIUS! IMPOSSIBLE GIRLS(プリガー)」を実施している。プリガーでは、同車種に使われている40もの部品を二次元のキャラクターに「擬人化」、それらを用いたさまざまなコンテンツを各種メディアで展開している。

「プリウス PRIUS! IMPOSSIBLE GIRLS」篇。「PRIUS! IMPOSSIBLE GIRLS」が生まれる過程を描いた。
特設サイトでは、キャラクターのビジュアルやセリフ、設定、そして実際の部品の説明を見ることができる。オタク界、絵師界、声優界、ボカロ界……電通社内にいる“その道のプロ”を探し出し、プロジェクトチームにアサイン。キャラクターをつくるアニメーターや声優は、彼らの指導を仰いで選定した。

キャラクターのもとになった部品を当てる三択クイズ「MATCHING GAME」も公開。

1月18日に公開した特設サイトを皮切りに、翌19日にはテレビCM「PRIUS! IMPOSSIBLE GIRLS」篇をオンエア、2月1日にラジオCMがスタート、2月8日には屋外広告の掲出に合わせてサンプリングイベントを実施するなど、多岐にわたるチャネル・表現で消費者との接触を図っている。

ターゲットは「テレビなんてほとんど見ない(持ってもいない)デジタルネイティブ層」。今すぐクルマを買う層ではないが、いつかクルマを検討する際に、まず「プリウス」を想起してもらうことを狙う。

トヨタ自動車が2011年3月に策定した「トヨタグローバルビジョン」で掲げるスローガン「もっといいクルマづくり」を追求し、同社のクルマづくりの新方針「TNGA(Toyota New Global Architecture)」の第1号車としてつくり上げられた新型プリウス。「高い環境(燃費)性能」「低重心スタイル」「走りの楽しさ・乗り心地の良さ・静かさ」ーー格段に向上した基本性能を支える一つひとつの部品は、当初「不可能(IMPOSSIBLE)」と呼ばれたほど、高い機能を持つ。新型プリウスは、従来品からどう変わったのか。それを伝えるには、一つひとつの部品をもっとよく知ってもらう必要があるとの思いから、本プロジェクトが実現した。

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