コラム

AdverTimes DAYS 2016

伊藤忠商事×住友生命保険「企業文化・ビジョンをカタチにするクリエイティブ」

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生活者が企業への信頼や公共性まで判断し、企業を選ぶようにもなっている今、商品やサービスを売るための広告表現だけではなく、企業文化やビジョンを伝えていくことの重要性が高まっている。こうしたコミュニケーションに力を入れている2社による講演を紹介する。


登壇者

  • 伊藤忠商事 広報部 企画・制作室長 栗原 章 氏
  • 住友生命保険 ブランドコミュニケーション部長 藤本 宏樹 氏

 

「伝えたいことと伝わることは別」だと心して取り組む

—それぞれの企業の“らしさ”やビジョンを生活者・顧客に伝える取り組みについてお聞かせください。

住友生命保険 ブランドコミュニケーション部長 藤本 宏樹 氏

藤本:住友生命では、“らしさ”を伝えるアウターブランディングの強化、住友生命ならではの価値づくり、インナーブランディングの3つに取り組んでいます。

その中で失敗を通じて学んだ3つの大切なことがあります。1つは「伝える」と「伝わる」は別だということ。生命保険の意義、ブランドの核である商品、住友生命の先進性など伝えたいことはたくさんありますが、絞らないと伝わりません。表現も受け手視点の「伝わる」コミュニケーションを意識しています。

2つめは心が動くこと。企業が発信するコミュニケーションは生活者の時間と空間にお邪魔するものなので、ちょっと笑えたり、ちょっと心が温かくなったりするものにしたいと思っています。

3つめは、ちょっと先行くコミュニケーションです。「この会社は思い切ったことをやるな」と感じてもらえるようなコミュニケーションに挑戦したい。その一つが「1UP(ワンアップ)」という商品CMです。商品のことを説明していないと社内で批判もありましたが、まずは「1UP」という言葉を流行らせて興味をもって頂き、その中で住友生命の新しさを感じてもらえたらいいと割り切りました。

もう1つが「家族の死」という暗黙のタブーに挑戦した「dear my family」というCMです。弊社には昭和41年から大事にしている「悲しみとともに貧しさが訪れないように」というメッセージがあります。当時の社長が生命保険の意義を表現した言葉ですが、それをもう一度世の中に伝えようと作りました。

伊藤忠商事 広報部 企画・制作室長 栗原 章 氏

栗原:「総合商社は何をやっているのか?伊藤忠商事ってどんな会社なのか?」という世間のイメージを打破したいとプロジェクトが始まりました。

まず、社会と会社をつなぐ分かりやすい言葉として「ひとりの商人、無数の使命」というコーポレートメッセージを作りました。これは社員の言葉と、弊社のルーツである近江商人の経営哲学「三方よし」の精神、企業理念である「豊かさを担う責任」をあわせて完成した伊藤忠らしさを表したメッセージです。

続いて、新聞広告を出稿しました。商社はオリジナル商品を持っていません。武器は人、社員です。そこで社員を介して伊藤忠商事を知ってもらおうと、人をイラスト化した広告を作りました。

また、「きょうの、あきない」(TBSテレビ/毎週土曜日21:54放映)というミニ番組とCMをセットで投入しています。生活者に身近に感じてもらえるよう、またありのままの姿を伝えるためCMには本物の伊藤忠商事の社員が登場しています。

そのほか、神宮球場のバックネットにも広告出稿しました。

商社は遠い存在ではなく、生活の中にいることを意識したものです。

次ページ 「社員のあらゆる動線に広告を掲出し、インナーへの浸透はかる」へ続く

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