ブランディングの「未来形」をさぐる

ブランドは消費者の文脈のなかでのみ価値がある

画像提供:shutterstock

「ブランディング」とは、伝統的なマーケティングから解釈すると、消費者の認知やイメージを獲得することです。そして、一般的には、テレビCMを代表とするマスメディアにおけるブランド名の連呼や過剰なイメージ訴求が「広告」のように思われています。

しかしながら、ハイブランドの直営店舗や品の良いセレクトショップは、そのブランドがプレミアムであればあるほど、ブランドロゴを直接的にアピールすることを避けています。むしろ、そういう場では、どのような価値を持っている商品なのかというコンテクスト(文脈)を、店舗という限られた空間で示す必要があると考えています。

歴史を振り返れば、商品陳列というのはそれほど古いものではなく、需要が発生してから商品をつくるオンデマンド形式の時代の方が長かったです。それが、今のような店舗で商品が大量陳列されるようになった背景には、当然ながら前もって商品を大量に作ることで単価を下げられるというメリットもありますが、消費者側に商品を選択し購買するという権利が移動したからということでもあります。

そのため、CMでブランド名を記憶してもらおうと先ほどのような広告手法が取られたわけですが、それはスーパーの陳列棚の前で、そのブランド名を思い出してもらうことが消費者の購買へのコンテクストに沿っていたからです。

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鈴木健(ニューバランス ジャパン マーケティング部長)
鈴木健(ニューバランス ジャパン マーケティング部長)

1991年広告会社の営業としてスタートし、ナイキジャパンで7年のマーケティング経験を経て2009年にニューバランス ジャパンに入社し現在に至る。ブランドマネジメントおよびPRや広告をはじめデジタル、イベント、店頭を含むマーケティングコミュニケーション全般を担当。

鈴木健(ニューバランス ジャパン マーケティング部長)

1991年広告会社の営業としてスタートし、ナイキジャパンで7年のマーケティング経験を経て2009年にニューバランス ジャパンに入社し現在に至る。ブランドマネジメントおよびPRや広告をはじめデジタル、イベント、店頭を含むマーケティングコミュニケーション全般を担当。

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