新市場は、消費者とメーカーの「二人三脚」がなければ生まれない(ロボット掃除機ルンバ)

【前回の記事】「アンバサダープログラムを取り入れて売り上げ25%アップの成果(日本ケロッグ)」のはこちら

セールス・オンデマンドは、米国アイロボット社の「ルンバ」の日本における販売代理店として2004年に設立されました。今や「ロボット掃除機」の代名詞として知られる「ルンバ」ですが、市場の開拓とその普及には、常に消費者のクチコミと上手につきあってきた戦略がありました。その貴重なマーケティングストーリーを同社 取締役の徳丸順一氏に聞きました。

今回のゲスト

徳丸 順一(とくまる じゅんいち)
セールス・オンデマンド 取締役 第一事業本部 マーケティング部 部長

広告会社を経て、2006年4月にアイロボット日本総代理店 セールス・オンデマンドに参画。家庭用掃除ロボットのパイオニアである、アイロボットルンバのマーケティング活動を展開し、ロボット掃除機カテゴリー創出を行う。2010年1月、スウェーデンの高性能空気清浄機ブルーエアを日本市場に導入し、掃除機以外のカテゴリーへ進出。2013年4月より経営企画本部を担務。2015年4月より再びアイロボット事業のマーケティング全般を担務している。


新市場をどうつくるか

藤崎:

ルンバのアンバサダープログラム「アイロボット ファンプログラム」を始めたのは最近ですが、以前からクチコミを重視していたそうですね。

徳丸:

はい、そうですね。このことをご説明するためには、まずは弊社の創業時の話をしなければなりません。2004年、我々が日本の販売代理店としてアイロボットを扱い初めた当初、実際はなかなかうまくいきませんでした。理由はいくつかありますが、最初に学んだことは「新商品についてブランド側から発信するだけでは、消費者に全く理解されない」ということでした。

藤崎:

まずは、使ってもらうことが大事ということでしょうか。

徳丸:

いえ、もっと根本的な問題です。「ロボット掃除機」という存在自体が今までにないカテゴリーだったため、これまでの掃除機とは違った存在として、いかに世の中に価値を認めてもらうかがスタートだったのです。その上で、新市場をいかに生み出していくか、という順番です。つまり、マーケットそのものを日本で作らなければならないという課題にぶつかったのです。もちろんマーケットができなければ、ビジネスが成立しないわけなので、たいへん厳しい状態でした。

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藤崎実(東京工科大学メディア学部専任講師/アジャイルメディア・ネットワーク エバンジェリスト)
藤崎実(東京工科大学メディア学部専任講師/アジャイルメディア・ネットワーク エバンジェリスト)

博報堂 宗形チーム、大広インテレクト、読売広告社、TBWA HAKUHODO、アジャイルメディア・ネットワークを経て、現職。
変わりゆく広告の最前線を歩み、ファンやアンバサダーに着目した企業のマーケティング活動に従事し、研究職に。
日本広告学会:クリエーティブ委員、産業界評議員、デジタルシフト準備委員会。日本広報学会会員。WOMマーケティング協議会:副理事長、事例共有委員会。東京コピーライターズクラブ会員。カンヌ・クリエイターオブザイヤー他受賞多数。多摩美術大学、日大商学部非常勤講師。

藤崎実(東京工科大学メディア学部専任講師/アジャイルメディア・ネットワーク エバンジェリスト)

博報堂 宗形チーム、大広インテレクト、読売広告社、TBWA HAKUHODO、アジャイルメディア・ネットワークを経て、現職。
変わりゆく広告の最前線を歩み、ファンやアンバサダーに着目した企業のマーケティング活動に従事し、研究職に。
日本広告学会:クリエーティブ委員、産業界評議員、デジタルシフト準備委員会。日本広報学会会員。WOMマーケティング協議会:副理事長、事例共有委員会。東京コピーライターズクラブ会員。カンヌ・クリエイターオブザイヤー他受賞多数。多摩美術大学、日大商学部非常勤講師。

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