ロボホンはAIを技術は使うがAIをそのまま搭載しない
パネルディスカッションの後、シャープの景井美穂氏が特別講演としてロボホンとAI(人工知能)について紹介した。ロボホンはシャープが発売した世界初のロボット型携帯電話である。
開発時に景井氏が意識したことは、タイミング良くユーザーの好みに合わせた情報提供でサービスを引き込むプラットフォームにしていくということ。例えば、持ち主がイタリアンが好きだということを覚えた際に外出先でイタリアンの情報を提供するというように人力で学習するということである。
景井氏はロボホンにはAI技術が搭載されてはいるものの、人の対話内容にはAIを直接は使わないことにしたという。これはテスト時のラーニングが生きている。直接使うと「勝手に類推されると気持ち悪さが出る」「外れたことを言われるととたんに醒めてしまう」という経験から来ているということである。
読者の中で覚えている方もいると思うが、マイクロソフトがTayという人工知能をTwitterで公開したところ、意図しないことを話すようになり2日でアカウントを中止したという事件があったが、そのような懸念もあったのであろう。
したがってロボホンはユーザーの問いかけに対する正しい回答を半自動的に学習していき、ユーザーが手動で学習させたことをもとにロボホンが進化していく方法(AI×人力)でロボホンを進化させていくことを選択したということである。
AI(人工知能)の知識は進化しており、単純な知的作業などでは人間よりはるかに効率的に作業ができることから、ある程度の仕事は取って代わられてゆくことになるであろう。しかし、分野によっては人間を超えるシンギュラリティは実現しないかしてもはるか先のことになるのではないだろうか。いずれにしてもAIと上手く付き合った上でよりよい生活を実現するためにあらゆる側面で活用されていくことを願っている。
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