不正な経営が通用しない時代のビジネス、経営、事業構想の教科書。『サスティナブル・カンパニー ー「ずーっと」栄える会社の事業構想ー』(水尾順一・著)が、8月より全国の有力書店・オンライン書店で販売されています。本書では、目先の利益ではなく、長く利益を上げ、企業が本当に社会の役に立つ存在になるために重要な「事業構想」を考えるためのヒントを解説しています。ここでは著者の水尾氏が「マーケティングとサスティナブル」の関係についてまとめました。
サスティナブル・カンパニーの事業構想
先行き不透明感が漂う現代、企業の新陳代謝がめまぐるしい。2015年の国内株式上場企業は98社ある一方で、企業の倒産件数は全国で8,812件にも上る。
このようにビジネス構造がめまぐるしく変化する状況への対応は、会社として必須のもの。つまり、常に世の中の変化や状況に合わせて、変えるべきは変え、守るべきは守るという「不易流行」の精神で、事業構想を考えていかなければならない。そのためには会社として、1本筋が通った経営理念が必要なことは言うまでもない。
経営理念をもとに、従業員や顧客、取引先、さらには地域社会などそれぞれの満足度を高めながら、地球環境に貢献し、未来永劫に発展する会社を目指す。それが、サスティナブル・カンパニー(「ずーっと」栄える会社)の事業構想だ。このような会社は、結果として出資者である株主や投資家にとっても、永続的な配当や利息の確保など投資収益をもたらす魅力ある会社となる。
多くの場合、経営理念では、顧客や社会、当然のことだが従業員も含めて多様なステークホルダー(利害関係者)との良好な関係を築くことが宣言される。筋の通った経営理念があり、それが従業員も含めて社内外に広く見える化されることで、トップから現場まで、すべての従業員から共感を得ることが可能になる。
