電通 古川裕也さんが振り返る 2016年 国内外の広告賞審査会【前編】

文:古川裕也

今年夏から秋にかけて、なんだかたくさん審査をした。

 6月中旬:カンヌライオンズ・Creative Data部門

 6月下旬:クリオ賞 フィルム部門審査員長

 9月上旬:D&AD Impact・Humanitarian Aid部門

 9月中旬:ACC賞 フィルム部門審査員長

グローバルが3つ。国内がひとつ。

フィルムが2つ。ソーシャル・イシューがひとつ。イノヴェーションがひとつ。

審査員長ふたつ。ふつうの審査員ふたつ。

審査員とは遣唐使のようなものなので、審査の内容をできる範囲でシェアしようかと。よく海外審査報告会やレポートのようなものがあるけれど、時間と文字数の関係もあってか、どうしても表層的になりがちで、なかなか本質に立ち至らない。それは、報告を聴く側ではなく、遣唐使側に責任がある。

重要なのは歴史的流れ、それも表現レベルとインダストリー・レベルの。それと、アワード自体が抱えている問題。どちらも、俯瞰しないとわからない。

それぞれのアワードの話と全体の話も少し。

1 Cannes Lions Creative Data部門

カンヌ本体とは切り離して、innovation lionsができたのが4年前。ショートリストに残ると、審査員の前でプレゼンして質問を受ける。その模様はライブで見ることができる。「スター誕生」方式というか「マネーの虎」方式というか。

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