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コラム

椎木里佳の「JCJKの生態と欲望」研究所

いまなぜ女子高生がラジオにハマる?大人のなかの“オワコン”にこそ勝機あり

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ラジオは“新しいメディア” これまでにない距離感が心地よい

1月7日放送開始「#椎木里佳パイセンの放課後ラジオ」(静岡放送)収録の様子

10代向けのラジオ番組「#椎木里佳パイセンの放課後ラジオ」が、静岡放送で1月7日からスタートします。
女子中学生や女子高生たちにとってラジオは“新しい”メディアです。彼らの両親の世代もラジオを聞かなくなっているので、今の10代はそもそも生まれてからラジオに接する機会がありません。そういう世代にとってラジオは、インターネットともテレビともまったく違う「初めて触れる新しいメディア」と言ってもいいのかもしれません。
ちなみについ先日、初めて「ラジカセ」なるものに触れました!「カセット」も今、10代の間で静かなブーム。あのフォルムがかわいい!と評判です。

「#椎木里佳パイセンの放課後ラジオ」は、10代に向けた内容なので、番組には進路の相談や恋愛の悩みなど10代のリアルな声が届いてきます。
でもなぜいま「ラジオ」なのでしょう。10代にとってはSNSが身近にあって、何気なく悩みを話す場所はいくらでもあるはずですよね。

それは、「ラジオの絶妙な距離感」にあるんだと思います。
家族や親友にはちょっと話しにくいし、SNSでつぶやくのも、後々めんどくさい。
SNSでこんなに繋がっているのに、どこか空虚なのがいまの10代なのです。それに、常に繋がっている状態って、結構プレッシャーというか…正直疲れちゃうんですよね。それは10代の女子中高生自身も薄々気づき始めています。
だからこそ、ラジオMCという第三者には悩みを打ち明けやすいのだと思います。

アナログで旧世代的なつながりのラジオは、「ラジオ番組」というコミュニティを通して、SNSでは育めないつながりを作ることができます。そういう感じって、ちょうどTwitterの「※趣味アカ」に似ています。

※Twitterで趣味についてだけつぶやくアカウントのこと。

先ほど、若い人たちにとってラジオは新しいメディアと言いましたが、実は高校生の中でも25%位の人が「家の中にいるときや勉強中にラジオを聞く」と回答したそうです(マイナビ調べ)。

その調査の中で最も好きなラジオ番組に挙げられていたのがTOKYO FM系列「SCHOOL OF LOCK」。この番組は学校に見立てられていて、パーソナリティーが「校長先生」や「教頭先生」としてリスナーである学生たちとコミュニケーションを取っていきます。番組内のHPには掲示板が設立されていて、リスナーたちのコミュニケーションの場になっている。実際私も出演したときには、放送時間外にスタッフがリスナーの悩みを聞いていたりと、本当の学校みたいな関係が築けていました。
これまで生活の中にラジオがなかった高校生が、ラジオの持つコミュニティの強さやその距離感の心地よさを実感することで、高い確率でユーザーになっているのだと思います。

「古いから」「スマホには勝てないから」という理由でラジオを切り捨てるのは簡単かもしれない。でもそうやってラジオの潜在的な可能性に目を向けていないのはもったいない。

「#椎木里佳パイセンの放課後ラジオ」では、「ラジオの概念を変える」と本気で意気込んでいます。戦前から存在するラジオというメディアと、10代の女子中高生を“かけ算”したらどうなるのか。これは一つの実験でもあります。
具体的に何をやるかというと、まずは今の仕事でもある「大企業と10代の橋渡しになる」ということをラジオでも展開したい。ラジオで届くリアルな声を元に企業と商品を開発したり、イベントにつなげる。座談会を開いてもいい。リアルとラジオとSNSの連動をどんどん実験的にやっていきます。

トレンドは10代から生まれてくるんです。これはいつの時代も変わらない。
私は10代のパワーを信じているからこそ、10代が描く未来を可視化して社会と繋げていきたいと思っています。

コラムでは、ラジオと連動し、番組で紹介したJCJKのトレンドをさらに深堀りし、いま、女子中高生が欲望を掻き立てられるのはどんなモノか?どんなときにモチベーションが上がるのかなど、普段わからない女子中高生の生態と、それをマーケターがビジネスにつなげるための方法を、独自の視点から解説します。