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コラム

椎木里佳の「JCJKの生態と欲望」研究所

ユニクロやZARAと並ぶ「インフルエンサーショップ」って何だ?中国のインフルエンサーマーケティング事情

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【前回コラム】「星遊国際×椎木里佳対談「15億人の市場規模を誇る、中国インフルエンサー事情」」はこちら

AMF代表取締役・椎木里佳が、若者のトレンドをご紹介する本コラム。今回のテーマは、前回に引き続き中国のインフルエンサー事情。

現在日本でもインフルエンサーマーケティングの重要性が浸透しつつあります。SNSやライブ配信で、多くのフォロワーを持つインフルエンサーを利用する施策は、ダイレクト・マーケティングの一つの大きな柱になりつつあるといっても、過言ではありません。

そんなインフルエンサーマーケティングにおいて、圧倒的な市場規模を持っているのが、中国です。今回は中国のインフルエンサー事情に詳しい、星遊国際のMaxi Kuan(以下、Maxi)さんにお話を伺いました。

2時間で34億円売り上げた人も!ケタ違いの中国インフルエンサー

椎木:インフルエンサーを起用した広告などのマーケティングは、中国では現在どの程度盛んなのでしょうか?

Maxi:依然として盛んですが、特に日系企業は予算を投下している印象を受けます。資生堂はインフルエンサーを活用している広告に力を入れていますね。

インフルエンサーの収入源は、大きく2つで、広告案件と個人のECサイトでの売り上げです。ECサイトは、ライブコマースと呼ばれる配信型のものや、インフルエンサー自身がバイヤーとして個人でECサイトを立ち上げるケースがあります。ECサイトの方が稼げる額は大きいですが、なかなかハードルが高い。そこまで手を広げられないインフルエンサーは、広告案件のみを受ける流れもあり、広告市場においてインフルエンサーマーケティングはまだまだ需要があります。

椎木:ちなみに日本だと、広告には「PR表記」をつけなくてはいけないなど、“ステマ”ということに対して、消費者側も厳しくなっている風潮が見受けられるのですが、中国でもそういった流れはありますか?

Maxi:実は「Weibo」では、むしろ“ステマ”を推奨するような風潮があります。広告として動画を出したりすることを好まないんです。いわゆるナチュラルアドの方が好まれる傾向にあり、あまり“ステマ”ということに関してそこまでユーザーも敏感ではないですね。

椎木:なるほど、まだまだ市場は伸びていきそうですね。インフルエンサーを起用する企業はどういった企業が多いのでしょうか?日本ですと、飲料メーカーやコスメなどの美容業界が多い印象です。

 

赤で囲まれている店舗が、インフルエンサーショップ
出展:https://www.53shop.com/pp_news58695.html

Maxi:この二年間くらいは、ほぼアパレル業界とコスメ業界だけで行われていたと思います。アパレルが7割で、残りがコスメ。一部食品系や、最近ではマタニティ系も人気なので、これからはどんどん別ジャンルが増える予定かと思います。

それだけ中国ではインフルエンサーによる拡散力や売り上げ促進力は確固たるものになっています。

2016年に、中国のECサイトの「女性アパレルの売上げランキング」では、インフルエンサーショップが1位と3位にランクインし、TOP10のうち7店舗はインフルエンサーショップでした。

椎木:インフルエンサーがプロデュースしているショップですか?それが
上位に入る時代なんですね!日本ではまだそこまでは市場が拡大していない印象です。

Maxi:実際に僕が提携している、雪梨というビックインフルエンサーは、
2017年に「独身の日」(中国のネット市場で最大の商戦日とされる11月11日のこと)の売り上げ記録が、350秒で1億元(17億円)、2時間で2億元(34億円)を超えたと話題になりました。
2016年に、UNIQLOが独身の日で出した売上記録が、3分で1億元(17億円)だったことと比較すると、インフルエンサーの持つ販促力は凄まじい勢いで伸びています。

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